2. 2026年12月期1Qは増収ながら2ケタ減益、通期見通しを下方修正
次に、同社が4月23日に発表した最新決算をおさらいしましょう。
詳細は以下の通りです。
2.1 キヤノン(2026年12月期)決算ハイライト
■売上高:米州・欧州での低迷を日本・アジアの好調がカバーし、1Qとしては過去最高を記録しました
- 1Q実績:1兆937億円(前年同期比:+3.3%)
- 通期予想:4兆7,650億円(前期比:+3.0%)
■営業利益:売上は伸びたものの、粗利率の低下と経費の増加がダブルで響き、大幅な減益となりました
- 1Q実績: 714億円(前年同期比:△26.1%)
- 通期予想: 4,560億円(前期比:+0.1%)
■ 純利益(最終利益)
- 1Q実績: 483億円(前年同期比:△33.1%)
- 通期予想: 3,330億円(前期比:+0.3%)
2.2 2026年12月期通期の利益予想を下方修正
4月23日に発表された最新の見通しでは、売上高は据え置かれたものの、メモリ価格の高騰などの影響により、各段階利益が下方修正されています。
2026年12月期 通期連結業績予想の修正内容は以下の通り。
■売上高:4兆7,650億円(前回見通しから変更なし)
■営業利益:4,560億円(前回見通しから230億円の減額/4.8%の下方修正)
前回見通しは4,790億円でしたが、メモリ価格上昇に伴う約503億円のコスト増などが響き引き下げられました。ただし、前期実績(4,554億円)比では0.1%の微増を維持しています。
■税引前当期純利益:4,830億円(前回見通しから120億円の減額/2.4%の下方修正)
前回見通しの4,950億円から引き下げられました。前期実績(4,821億円)比では0.2%の微増となる見通しです。
■同社株主に帰属する当期純利益(純利益):3,330億円(前回見通しから80億円の減額/2.3%の下方修正)
前回見通しの3,410億円から引き下げられました。前期実績(3,321億円)比では0.3%の微増を見込んでいます。
2.3 市場環境:明暗が分かれたビジネスユニット
【追い風】カメラ・半導体露光装置が牽引
カメラやネットワークカメラの需要が引き続き強く、半導体露光装置もメモリ向け投資が急速に回復しています。
【向かい風】地政学リスクとプリンティングの低迷
米国追加関税や中東情勢の悪化などにより、顧客が投資を先送りする傾向が続いています。特にプリンティング事業が市況低迷の影響を受けました。
2.4 なぜ「増収なのに26.1%減益」になったのか?
原因①:粗利率が「47.3%→46.2%」へ悪化(▲1.1pt)
円安によるプラス効果(+1.7pt)があったものの、それを上回るトリプルパンチで相殺されました。
- プロダクトミックスの悪化(▲1.7pt)
- 関税影響(▲0.9pt)
- コスト上昇(▲0.3pt)
原因②:売上の伸び以上に「経費」がかさんだ(▲1.5pt)
売上高に対する経費の割合(経費率)が38.2%から39.7%へと上昇し、さらに利益を圧迫しました。
