増収増益の決算を出したのに、株価が大きく下がる。そんな一見ちぐはぐな値動きは、決算そのものよりも、事前の期待や相場の温度で説明されることが多い。半導体ウェーハを手がけるRS Technologies(3445)は、2026年12月期上期で増収増益を確保した。だが株価は直近1カ月で水準を下げ、決算発表の翌営業日には大きく売られている。
※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
この記事の3つのポイント
①2026年12月期上期は営業利益+8.9%、経常利益+26.0%、中間純利益+9.2%の増収増益となった。
②株価は直近1カ月で2割前後下落し、8月14日は前日の7,100円から6,230円へ大きく下げた。PER・PBRは直近時点で16.6倍・1.9倍。
③売上高は5期で約2.2倍に伸び、金属製品の分類には収まりにくい高成長が続く。設備投資とM&Aが次の柱を担う局面だ。
2割下げた株価、決算翌日の急落をどう見るか
RS Technologiesの株価は直近1カ月で水準を下げた。7月中旬の7,750円台から、8月14日の終値は6,230円まで下落している。1カ月で2割前後の下げだ。
とりわけ目立つのが、8月14日の急落だ。前日の7,100円から6,230円へと大きく下げている。前日の取引終了後に伝わった2026年12月期上期の決算を受けた反応とみられる。
もっとも、決算そのものは増収増益だった。株価がそれでも下げたのは、事前の期待が高かったことや、半導体関連株全体の値動きの荒さが意識された可能性がある。PER・PBRは直近時点で16.6倍・1.9倍となっている。
増収増益でも株価は下落。上期の中身を分解する
2026年12月期上期は、売上高405億円で前年同期比+6.8%。営業利益は77億円で+8.9%、経常利益は90億円で+26.0%、親会社株主に帰属する中間純利益は41億円で+9.2%と、主要な利益がそろって前年を上回った。
経常利益の伸びが営業利益を上回ったのは、営業外で為替差益が乗り、持分法による投資損失が縮んだためだ。段階利益の中身を見れば、本業と営業外の双方が上向いた期だったと読み取れる。
事業別では濃淡がある。プライムシリコンウェーハ製造販売は売上127億円と前年同期から4割強伸びた一方、半導体関連装置・部材は135億円と1割強減った。主力のウェーハ再生は142億円で堅調だ。全体の増収を、成長事業がけん引した構図が見える。
筆者コメント
増収増益の決算で株価が下げると、決算が悪かったように錯覚しやすい。だが上期の数字は、主要な利益がそろって前年を上回っている。
株価の下げは、決算の中身よりも、そこに向けられていた期待の高さの側にあると考えられる。
半導体関連株は値動きが荒い。目先の株価と、事業が積み上げてきた実績を、いったん切り離して眺めたい局面だ。
