このご時世、奨学金で大学進学し、社会人になったという人も多いと思います。奨学金の返済が待っていることは確かなのですが、就職先の業種によってはそれほど高いお給料が見込めないこともありますよね。とはいえ、奨学金は返済していかないといけませんし、日々の生活もしていなかければなりません。

今回は、年収300万円未満で奨学金の返済400万円が残っていながらもなんとか生活を立て直し、奨学金の返済に奮闘している女性から話を聞きました。

最初はお金のなさに泣いて暮らす日々

文系の私立大学を卒業したAさん。卒業後は興味のあった出版関係の仕事をしたいと思って就職活動をしました。しかし、大手の出版社は難関。Aさんは最終的に小さな出版社でキャリアをスタートさせることになりました。

ニッチな業界紙を作ったり、自己啓発本の編集をしたり、自費出版のサポートをしたりとそれなりに充実した日々を送っていたAさん。しかし、小さな出版社なので給与水準は高くなく、毎月16~18万円ほどのお給料だったといいます。それでも楽しく、自分の興味のある業界だったので毎日が刺激的でした。

しかし、奨学金の返済が始まった10月。Aさんの暮らしは急に苦しくなります。毎月2万円を奨学金の返済に充てることにしていたAさん。都内の各駅停車しか停まらない駅から15分歩くワンルームの小さなアパートで暮らしても家賃は7万円。そこから生活に必要な水道光熱費や食費、通信費などを差し引くと、余るお金はほとんどありませんでした。

それでも、そこから2万円を奨学金の返済に充てなければならないわけですから、相当苦しい生活を強いられることに。毎月赤字になり、親からお金を借りることもあり、毎日「お金がない」と泣きそうになりながら暮らしたと言います。しかし、Aさんは何とかそこから生活を立て直そうと考えました。

負債の整理と今後の収入見通しを立てる

生活を立て直すため、Aさんはとにかく今の負債と出費の状況を整理することから始めました。「家賃が7万円、水道光熱費が8000円、食費が3万円、通信費が6000円…」などと毎月の費用を書き出して出費を見える化します。

そうすると、毎月負担になるのはクレジットカードの請求額。毎月5〜6万円の請求が来ており、それが大きな負担になっていました。さらに通信費も収入の割には高いと感じたAさん。こうして出費を見える化することで自分にとって何が無駄で、何が削れそうなのかということがわかります。

さらに、負債がいくらあるのかも整理しました。奨学金の残額、親から借りたお金、クレジットカードの来月以降の請求額。400万円以上にもなり、頭がくらくらしたとAさんは言いますが、負債も見える化して現実を受け止めることも大事です。

それと同時に、今後の収入の見通しも作りました。先輩に話を聞いて毎年の大体の昇給額をつかみ、それも考慮に入れて計算。さらに、経験を積んだ3年後には転職し収入が増えることも考えることに。とりあえずこの先15年の収入をイメージして、表を作ったAさん。その中でどう返済していくかを考えました。

3パターンの返済プランを考える