4. 【年金の繰上げ・繰下げ受給】どちらが実際に選ばれているのか?
では、実際に繰上げ受給や繰下げ受給を選んでいる人は、どのくらいいるのでしょうか。厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和6年度末時点での利用率は、繰上げ受給が1.2%、繰下げ受給が1.9%でした。このデータから、繰下げ受給を選択する人の方がやや多いことが分かります。
特にここ数年は繰下げ受給を選択する人が増加傾向にあり、将来の受給額を増やすという選択肢が広まりつつあるようです。高齢になっても働き続ける人が増えている社会背景も、この傾向を後押ししている一因と考えられます。
4.1 70歳時点で進む繰下げ選択の広がり
70歳時点での状況を見ると、繰下げ受給の割合はさらに高まっています。
令和6年度では4.2%に達しており、以前と比べて増加傾向がはっきりと見られます。制度改正によって繰下げ可能な年齢が拡大されたことも、この流れを後押ししています。
その一方で、繰上げ受給を選ぶ人の割合は低い水準で推移しており、早く受け取ることよりも、将来の受給額を増やすことを重視する人が増えているといえそうです。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)