3. 金利上昇で儲かる仕組み「スプレッド(利ざや)」の拡大

特に昨今、金利が上昇する局面において銀行の業績が伸びている理由について、泉田氏は銀行ビジネスの基本原理に立ち返って解説します。

「預金者から安い金利でお金を預かって、それをどんだけ鞘(さや)乗せて企業に貸し出すかっていう商売なので、手元にやっぱり原資があることが大事なんですよ」(泉田氏)

銀行の最大の収益源は、預金者から預かったお金に金利を上乗せして企業や個人に貸し出し、その金利差(利ざや=スプレッド)から得る利益です。

現在、日本国内では長らく続いたゼロ金利政策が転換点を迎え、金利が上昇傾向にあります。

決算資料の「国内預貸金利回りの推移」を見ると、貸出金利回りは約1.0%から約1.3%台へと上昇している一方で、私たちが銀行に預ける預金の利回りは約0.26%とほぼ横ばいにとどまっています。

貸し出す際の金利(収入)は上がるのに、預金者へ払う金利(コスト)はそれほど上がらないため、結果として銀行の手元に残る利益の幅(スプレッド)が拡大しているのです。これが、金利上昇局面で銀行が儲かる最大のカラクリです。

国内預貸金利回りの推移3/4

国内預貸金利回りの推移

出所:三菱UFJフィナンシャル・グループ「2025年度 決算ハイライト資料」(2026年5月15日)p.15

泉田氏は、海外(インドネシアやタイなど)の貸出金利回りの差は横ばいであることから、「今変化が起きてるのは日本」であると分析します。

長年の低金利環境から抜け出しつつある国内市場の変化が、MUFGの好業績を強力に後押ししているのです。