2. 貯蓄がほとんどない世帯の背景とは?考えられるリスクも解説
先ほどの「家計調査」のデータで貯蓄額の分布を詳細に確認すると、貯蓄が100万円に満たない二人以上世帯が約1割いることがわかりました。
このような状況が生まれる背景には、複数の要因が複合的に絡んでいると考えられます。
2.1 貯蓄がゼロに近い世帯が生まれる主な理由
収入の不安定化
パートタイムや非正規雇用で働く人が増えたり、賞与が減ったりすることで、自由に使える所得が安定しにくい状況があります。
教育費や住宅ローンの固定負担
特に子育て世代では、子どもの教育にかかる費用が増加し、住宅ローン返済と重なって家計を圧迫するケースが多く見られます。
突発的支出が重なる
自動車の買い替えや家電の故障、急な医療費といった予期せぬ出費が重なると、貯蓄の計画が中断されがちです。
家計の把握不足
家計簿などで収支を管理しておらず、お金の流れを把握できていないため、改善策を見つけられない場合もあります。
また、貯蓄が全くない、あるいは極めて少ない状態が長く続くと、以下のようなリスクに直面しやすくなります。
2.2 貯蓄ゼロの状態が続くとどのようなリスクがあるか
- 急な出費に対応できない(病気やケガの治療費、家の修繕費、冠婚葬祭費など)
- 借金に頼る生活が常態化し、家計の再建が困難になる
- 将来の老後資金を準備できず、公的年金だけでは安定した生活を送ることが難しくなる
- 失業や病気などで収入が途絶えた際の影響を直接的に受けてしまう
このような事態を避けるためには、たとえ少額からでも毎月着実に貯蓄する習慣を身につけることが大切です。
月々1000円や5000円といった金額でも、継続して積み立てることで、いざという時の「家計の備え」になります。
無理のない範囲でコツコツと続けることが、将来の安心感を育む第一歩となるでしょう。
著者
マネー編集部貯蓄班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験のある編集者が中心となり、金融庁や総務省など官公庁の公開情報等をもとにお金の課題に寄り添う専門チームです。
主なメンバーは野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、日本生命保険相互会社出身の村岸理美など。
編集者の多くは、金融機関にて個人リテール業務を経験。若年層からシニア層、富裕層に至るまで、幅広い顧客に対し、投資信託・保険を中心とした総合的なライフプランニングを実行してきた。なかには、リテール営業で社内トップの実績を持ち、行内で表彰された実力者も。人材育成や社内教育にも携わるなど、金融知識と実務経験の両面で信頼される編集者が在籍しています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年6月23日)
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/一種外務員資格(証券外務員一種)/元証券会社社員
1985年生まれ。福岡県出身。筑紫女学園短期大学英文科(現・筑紫女学園大学)を卒業後、2005年に日興コーディアル証券株式会社(現・SMBC日興証券株式会社)に入社。一種外務員資格(証券外務員一種)保有。ファイナンシャルアドバイザーとして、主に富裕層の個人顧客や法人に向けて、株式や債券、投資信託、保険商品などライフプランに寄り添った資産運用を提案する業務に従事。
現在は、株式会社モニクルリサーチのメディア編集本部・LIMO編集部に所属。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。(2026年7月11日更新)