2. 上方修正の正体。生成AI需要で「産業用」が急拡大

では、なぜ浜松ホトニクスは通期予想をこれほど強気に引き上げることができたのでしょうか。その背景には、世界的なムーブメントとなっている「生成AI」の存在があります。

産業用ビジネスの売上見通し(前年比+160億円)2/4

産業用ビジネスの売上見通し(前年比+160億円)

出所:浜松ホトニクス「2026年9月期 第2四半期 決算説明会資料」を基にイズミダイズム作成

同社の事業は大きく「電子管」「光半導体」「画像計測機器」「レーザ」の4つに分かれていますが、泉田氏は事業別ではなく「用途別(どのような業界向けに売れているか)」に注目すべきだと指摘します。

用途別に見ると、売上の柱は「産業用」「医用・バイオ」「分析」などに分かれています。

泉田氏は、機関投資家として同社を分析する際、設備投資のサイクルによって変動が大きい「産業用」の動向を最も重視していたと語り、今回の上方修正もまさにこの分野が牽引したと分析します。

「一番大きいのは産業用なんですよ。上方修正の幅がこの160億円になってます」

ここで泉田氏が言及した「160億円」とは、産業用ビジネスの前年同期比での増減額(742億円から902億円への増加)を指しています。会社が当初立てていた計画からの上方修正分だけでも113億円のプラスとなっており、同社の成長を強力に後押ししていることがわかります。

では、産業用分野で何が起きているのでしょうか。

決算資料を読み解くと、データセンター向けのデータサーバー基板検査装置や、半導体製造検査装置向けのイメージセンサー、さらにはシリコンウエハを切断するレーザ製品など、複数の事業領域において「生成AI向け」の設備投資需要が急拡大していることが明記されています。

つまり、浜松ホトニクスは光技術の専門メーカーでありながら、その技術が最先端の半導体製造や検査に不可欠であるため、実質的に「AI関連銘柄」としての恩恵を強く受けているのです。