4. あなたはどっち派?目的で決める債券選びの「軸」
10年物の債券投資を検討しているものの、個人向け国債と地方債とで迷っているという人は、投資の目的とそれぞれの債券のメリットをしっかり押さえてください。
4.1 個人向け国債:向いているのはこんな人
「これからさらに金利が上がる!」と思うなら 、個人向け国債(変動10年)がいいでしょう。
将来的な金利上昇のチャンスをきっちり掴むなら、こちらが適しています。
世の中の金利水準が上がるにつれて、自分が受け取る利息も自動的に増えていくので、「今の金利のまま固定されてしまうのはもったいない」と感じる方にぴったりの選択肢です。
4.2 地方債:向いているのはこんな人
「今の高い金利を今のうちにキープしたい!」と思うなら、主要自治体の地方債(共同債など)を検討してください。
魅力的な「今の利回り」を将来までロックすることができます。
地方債は基本的に「固定金利」タイプです。かつての超低金利期には考えられなかった「現在の高水準な利回り」を、満期を迎えるまでずっと維持できます。今後もし世の中の金利が下がったとしても、高い利息を受け取り続けられる安心感があります。
4.3 時期をずらした「組み合わせ戦略」も有効
債券投資は、「一度購入したらそれでおしまい」にする必要はありません。
たとえば、「当面は金利の上昇に備えて変動型の国債を持っておき、数年後に『そろそろ金利がピークだ』と判断したタイミングで、地方債(固定金利)に買い換えてガッチリ固定する」といったように、時期をずらしてパズルを組み合わせるような投資スタイルも非常に賢い選択です。
4.4 あえて買わずに「徹底的に様子見する」という選択肢も
「金利の天井はまだまだ先にある」と読むのであれば、焦って飛びつかずに6月は購入を見送って静観するのも立派な作戦です。
7月以降になって、さらに条件が良くなった地方債や、より魅力的な上乗せ金利が期待できる社債が市場に登場するのを「虎視眈々と待つ」というのも、十分に合理的な戦略と言えます。
5. まとめ
2026年6月の国債・地方債は、長期金利の上昇を受けて5月よりさらに利回りが引き上げられました。
個人向け国債(変動10年)は1.74%、共同発行地方債は2.832%と、魅力的な水準に達しています。
投資先を選ぶポイントは「金利タイプ」と「中途換金」の違いです。
- 個人向け国債:半年ごとに利率が見直される変動金利。発行後1年経てば元本割れなしで換金できるため、今後の金利上昇への備えや安心感を重視する人向きです
- 地方債:今の高い利回りを満期まで維持できる固定金利。途中で売却すると元本割れのリスクがありますが、満期までじっくり運用したい人に最適です
「まずは変動国債を持ち、金利のピークで固定地方債へ切り替える」といった組み合わせ戦略や、7月以降の条件好転を待つ様子見も賢い選択肢です。
ライフプランや金利予測に合わせて、最適な運用先を選びましょう。
参考資料
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願いいたします。
高原 祥子