2024年にスタートした新NISA制度もすっかり定着し、日々の株価の上下に一喜一憂するのではなく、腰を据えてじっくりと資産形成に向き合う個人投資家の方も増えているのではないでしょうか。

多くの企業から期末配当や株主優待の案内がポストに届き始める6月は、ご自身のポートフォリオ(保有銘柄の組み合わせ)を見直す絶好のタイミングです。

通信大手のNTT(証券コード9432)は、個人投資家から人気の高い高配当銘柄です。株主優待としてdポイントがもらえる点も、注目を集めています。ただし、付与されるポイント数は保有期間によって変わり、エントリーも必要です。

本記事では、優待の仕組みと高配当株を選ぶ際に役立つ「配当性向」「自己資本比率」の見方を、あわせて解説します。長く付き合える銘柄かどうかを、自分で判断する力を養いましょう。

1. 保有期間に応じて最大4500pt!NTTの株主優待はdポイントで進呈

NTTの株主優待は、100株以上を保有する株主へdポイントを進呈する内容です。ポイント数は、株式を継続して保有した期間に応じて変わります。保有2年以上3年未満の株主には1500ポイント、保有5年以上6年未満の株主には3000ポイントが進呈されます。

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dポイント進呈

出所:NTT「株主さまへのdポイント進呈」

  • 2年以上3年未満の継続保有:1500ポイント
  • 5年以上6年未満の継続保有:3000ポイント

毎年進呈される制度ではありませんが、同一の株主番号で継続保有し、2年以上3年未満と5年以上6年未満の条件をそれぞれ満たせば、合計で最大4500ポイントを受け取れる仕組みです。

2. 案内が届いたら即手続きを!エントリーを忘れると受け取れない

この優待は、対象となる株主が自分でエントリー(申し込み)の手続きをして、初めて受け取れます。条件を満たしていても、手続きをしなければポイントは進呈されません。

なお、エントリーには受付期間が設けられています。2026年度進呈対象株主のエントリー期間は、2026年5月29日午前8時から2027年3月31日午後9時59分までです。対象になりそうな人は、NTTの個人投資家向け案内を確認し、期間内に申し込みを済ませましょう。

3. 長期投資の力強い味方。NTTの株主還元方針もチェック

NTTは、株主還元の充実を重要な経営課題のひとつと位置づけています。株主還元の基本方針として、継続的な増配と機動的な自己株式取得を掲げています。

2026年度の年間配当は、1株あたり5.4円を予定しており、実現すれば16期連続の増配となります。1000株を保有していれば、年間で5400円の配当金を受け取れる計算です。

ただし、配当は業績や経営判断によって変わる可能性があるため、将来の支払いが保証されているわけではありません。

4. 減配リスクを事前に察知する。「配当性向」と「自己資本比率」の見方

高配当株を長く保有するなら、企業の体力を測る指標を理解しておきたいところです。

まず「配当性向」です。配当性向とは、税引き後の利益(純利益)のうち、どれだけを配当に回しているかを示す割合です。極端に高すぎると、利益以上に無理をして配当を出している恐れがあるため、無理のない水準かどうかを見ます。

次に「自己資本比率」です。自己資本比率とは、会社の総資産のうち、返済不要の自己資本がどれくらいを占めるかを示す割合です。一般に、この比率が高いほど財務の安定性は高いと見られます。ただし、通信インフラ企業のように大規模投資を行う業種では、業種特性も踏まえて確認することが大切です。

高配当株投資では、目先の配当利回りの高さだけで判断しない姿勢が大切です。確認したいのは、その配当を将来も続けられるかという「持続性」です。配当性向が無理のない範囲にあり、財務の安定性も確認できる企業は、業績悪化時でも配当を維持しやすい傾向があります。

土台となる事業と財務の健全さを確認したうえで、長く付き合う銘柄を選びましょう。

5. 目先の利回りに惑わされない。財務指標のチェックで「負けない」資産形成を

株式投資において、目先の高い利回りや華やかな優待内容は確かに魅力的ですが、それらが「企業の無理な負担」の上に成り立っている場合もありえます。

今回解説したように、NTTは長期保有によるdポイント進呈や継続的な増配方針など、投資家に寄り添った制度が整っている優秀な銘柄です。

しかし、それに甘んじることなく、ご自身の目で定期的に「配当性向」や「自己資本比率」といった財務指標をチェックする癖をつけることが大切です。

決算資料や証券会社のアプリを開き、企業の基礎体力を測るスキルを身につけることこそが、どんな相場環境でも動じない「負けない資産形成」への第一歩となります。

優待のエントリー忘れには十分注意しながら、末長く付き合えるお気に入り銘柄を育てていきましょう。

参考資料

柴田 充輝