「同じ年金といっても、人によって受け取れる金額はずいぶん違うらしい」——そんな話を耳にして、自分の場合はどうなのだろうと気になったことはないでしょうか。

公的年金は、加入してきた制度や現役時代の働き方によって、受給額に大きな差が生まれます。同じ65歳でも、毎月の年金額が数万円単位で変わることも珍しくありません。

そこで今回は、厚生労働省が公表した最新データをもとに、年金の基本的なしくみから、年齢別の平均月額、受給額の個人差、そして5つのライフコース別に見たモデル年金額までを、順を追って整理しました。

ご自身に近いケースを探しながら、老後の収入の見通しを一緒に確認していきましょう。

1. 公的年金のしくみをやさしく解説

まずは、公的年金の基本的なしくみから一緒に確認していきましょう。

公的年金は、土台部分となる「国民年金」と、その上乗せ部分にあたる「厚生年金」から成り立つ、いわゆる「2階建て構造」です。下の図をイメージすると、わかりやすいかもしれません。

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厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1階部分の国民年金には、原則として「国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方」が加入します。ちなみに、国民年金保険料(※1)は加入者全員が一律で同じ金額です。

一方、2階部分の厚生年金には、企業や官公庁などにお勤めの方が加入します。毎月の給与や賞与に応じた年金保険料(※2)を納めるため、受給額に個人差が出やすいのが特徴です。

では、将来受け取れる「年金額」は、どのように決まるのでしょうか。

まず国民年金の場合、保険料を全期間(480月)きちんと納めれば、65歳以降に満額(※3)の老齢基礎年金を受け取ることができます。反対に、未納期間などがあった場合は、その月数に応じて満額から差し引かれるしくみです。手続き漏れによる「未納」が将来の受給額に響くこともあるため、注意しておきたいポイントですね。

厚生年金の場合は、「年金加入月数」と「納めた保険料」に応じて、老齢厚生年金額が決まります。一般的には、長く働いた方、たくさん稼いだ方ほど、多くの年金を受け取れることになります。

※1 国民年金保険料:2026年度は月額1万7920円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2026年度は月額7万608円