4. 2027年3月期はあえての「攻めの減益」
一方で、次期である2027年3月期(27/3期)の会社計画は、売上収益こそ7兆6,700億円(前年比+1.7%)の増収を見込むものの、営業利益は5,000億円(同△9.5%)、最終利益は3,820億円(同△13.9%)と、減益の予想を出しています。
4.1 成長のための意図的な投資
なぜ次期は減益予想となっているのでしょうか。利益の増減要因を細かく見ていくと、これが単なる業績悪化ではなく「攻めの減益」であることがわかります。
減益の主な要因として挙げられているのが、開発投入(△400億円)、人への投資(△545億円)、価値創造基盤投入(△100億円)といった前向きな成長投資です。
将来の競争力を高めるために、あえて今、利益を削ってでも投資を優先するという経営の意志が表れています。
さらにこれらの投資を行いながらも、次期も「合理化等」で1,565億円もの利益を捻り出す計画を立てています。「どうやってこれほどの合理化を捻出するのか」という疑問が投げかけられると、泉田氏は次のように答えます。
「調達とか生産ラインの合理化だと思うんだけど、現場の人はどうやってるんだろうね。一般的には部品メーカーとかがしわ寄せを食ってしまうように思うけど、でもトヨタって全体バリューチェーンで『ハッピーですよ』って言ってるんだよね。だからどういう風にやってるのか正直知りたい」
また、この計画には中東情勢などの不確実リスク(△450億円)が保守的に織り込まれています。
このバッファーを除けば、実質的な営業利益は5,450億円となり、前期とほぼ横ばいの水準を維持する計算になります。
