3. 最新決算に見る、デンソーの驚異的な「稼ぐ力」
事業構造の強みを確認した上で、直近の業績に目を向けてみましょう。
2026年3月期(26/3期)の決算は、売上収益が7兆5,399億円(前年比+5.3%)、営業利益が5,525億円(同+6.5%)、親会社所有者に帰属する当期利益が4,438億円(同+5.9%)と、見事な増収増益を達成しました。
3.1 逆風を跳ね返す1,700億円の「合理化効果」
自動車メーカー各社が厳しい決算を余儀なくされる中、なぜデンソーは増益を確保できたのでしょうか。その秘密は、営業利益の増減を分解した「ウォーターフォールチャート」に隠されています。
実はこの期、デンソーには大きな逆風が吹いていました。関税の影響で855億円のマイナス、さらに部材費等の高騰で830億円のマイナスが発生していたのです。普通であれば大幅な減益に陥ってもおかしくない状況です。
しかし、デンソーはこの巨大なマイナスを「対応力強化・合理化」によるプラス1,700億円で完全に吸収してしまいました。泉田氏も、この凄まじい現場の対応力について感嘆の声を漏らします。
「いろいろ凸凹あるんだけど、増益まで持ってきたっていうのはすごいなっていう」
外部環境の悪化を言い訳にせず、自らの努力でコストを削減し、利益を捻り出す。これこそが、ヒリヒリするような創業期から培われてきたデンソーの「稼ぐ力」の真骨頂と言えるでしょう。
