3. まとめにかえて

公的介護保険制度は、急速な高齢化に伴い、私たちの負担が年々増大する局面を迎えています。実際に65歳以上の保険料は、2000年の制度開始時の全国平均「月額2911円」から、現在は「月額6225円」へと約2倍にまで上昇しました。さらに現役世代である40歳〜64歳の人も、医療保険とセットで介護保険料を納めており、全世代で負担が重くなっているのが現状です。

このような財政の逼迫を背景に、政府は所得だけでなく預貯金などの資産も加味した「能力に応じた公平な負担」への見直しを進めています。2026年5月に開催された検討会が示す通り、今後はデジタル技術の活用によって資産の把握がさらに効率化・実効化していく見込みです。

利用者負担が最大3割まで引き上げられるなど、今後は国からの給付だけに頼り切ることが難しい時代へと移行していきます。だからこそ、現役世代のうちから老後の介護リスクや自己負担増を現実的な問題として捉え、計画的な資産形成を進めることが重要です。民間の介護保険への加入を検討するなど、今からできる「自助努力」による備えを始めておくことが、将来の安心へとつながる賢明な一手と言えます。

参考資料

村岸 理美