2. 【公的介護保険】なぜ「預貯金」把握が進められているのか?

現在、政府は全世代型社会保障の構築に向け、所得だけでなく資産も総合的に勘案した「能力に応じた公平な負担」を求めています。その一環として、利用者の預貯金など資産状況の把握が進められています。

すでに、施設サービスで所得が一定基準以下の人の食費・居住費を補助する「補足給付」においては、先行して利用者の預貯金額等を確認する実務が行われています。

補足給付について3/3

補足給付について

出所:厚生労働省「補足給付の現状について」

さらに社会保障審議会・介護保険部会では、サービスを「2割負担」とする対象者の拡大を検討中であり、その際の負担緩和措置として「所得が基準を超えていても、預貯金が一定額未満であれば1割負担に据え置く」という新ルールの導入も議論されています。

しかし、資産を広く把握するには、自治体が金融機関へ1件ずつ書面等で照会している現行のアナログな手続きが、双方にとって大きな事務負担になっているという課題がありました。

そこで政府は、マイナンバーの活用検討やデジタル庁を中心とした預貯金照会のオンライン化を推進し、正確性を担保しながら手続きを大幅に効率化・省力化する環境づくりに乗り出しています。先述の2026年5月27日の厚生労働省の検討会は、まさにこの事務負担軽減に向けた、実務レベルの具体的なデジタルインフラ構築を話し合う契機となっています。