4. まとめにかえて
今回の調査結果をもとに、多様なライフコースが将来の年金額に与える影響について解説しました。正社員として長年貢献してきたケースでも月額約13.5万円という試算結果には、老後の生活設計に対して現実的な厳しさを感じる側面もあるかもしれません。
背景には男女の賃金格差や管理職登用の壁といった、一筋縄ではいかない構造的な課題が今なお存在しています。しかし、これは裏を返せば、現役時代における働き方やキャリアの選択次第で、将来受け取る年金額を主体的に育てていけるということでもあります。
まずは「ねんきん定期便」などを通じて自身の現状と将来の見通しを正しく把握することが、確実なライフプランへの第一歩となります。ライフイベントに伴う変化の中で、育児や介護と両立しながら「細く長くキャリアを継続する」という選択も、老後資金を守るための立派な戦略です。
日々の小さな選択の積み重ねが、やがて未来の自分を支える確かな経済基盤へと変わっていきます。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 内閣府男女共同参画局「令和7年版男女共同参画白書」
- 内閣府男女共同参画局「女性版骨太の方針2025」
- 内閣府男女共同参画局「女性の登用状況、男女別の育児休業取得率ランキング」
村岸 理美