6月頃に届く「住民税納税通知書」は、年金受給者にとって納めるべき税金や手取り額がいくらになるかを明確にする大切な書類です。この通知書は、年金から天引きされる税額や実際の手取り額がいくらになるかを示す大切な書類です。しかし、住民税の仕組みや自分が非課税の対象になるのかなど、分かりにくい部分も多いのではないでしょうか。

今回は、厚生労働省などの調査結果をもとに、年金生活者が住民税非課税となる収入のボーダーラインや通知書のチェックポイントについて解説します。

1. 【住民税】「均等割」と「所得割」のしくみ、住民税非課税世帯とは?

住民税とは、その地域に住む人たちが、福祉やゴミ処理といった地域社会のサービスにかかる費用を分担する地方税で、「市町村民税」と「道府県民税」があります。

住民税には「個人住民税」と「法人住民税」があり、その地域に住所などがある個人は「個人住民税」を負担します。

個人住民税は、「均等割」と「所得割」で構成されています。

個人住民税の構成1/4

個人住民税の構成

出所:総務省「地方税制度|個人住民税」

所得割は個人の所得に応じて課され、所得が多いほど高額になるのが一般的です。一方、均等割は所得に関わらず一定額以上の所得がある人が均等に負担します。

所得が一定金額以下の場合は「所得割」と「均等割」のいずれも非課税となり、住民税の納付義務は生じません。そして、世帯全員が住民税非課税に該当する世帯を「住民税非課税世帯といいます。

では、65歳以上の年金受給世帯で住民税非課税世帯に該当するのは、年収がいくらまでなのでしょうか。次章で解説していきます。

2. 【住民税】級地区分で変わる「住民税ゼロ」の基準「65歳以上の年金収入」で目安をチェック

住民税が非課税になるかどうかは、年収・所得が一定基準以下である必要があり、その基準額はお住いのエリア(「級地区分」)によって異なります。

「級地区分」とは、地域ごとの物価や生活様式などの差を生活保護基準に反映させるための制度です。全国を1〜3級地の3つに区分し、さらにそれぞれを2つに分けて、全部で6つに分類しています。

1級地は東京23区などの大都市圏が該当し、2級地は地方の中核都市や大都市圏の周辺エリアなどが該当、それ以外のエリアは3級地に該当するというイメージです。

厚生労働省は、1級地および3級地における住民税非課税世帯に該当する年収の目安を下表のように示しています。

【1級地】

  • 65歳以上単身世帯:155万円以下
  • 65歳以上夫婦世帯:211万円以下(配偶者:155万円以下)

【3級地】

  • 65歳以上単身世帯:148万円以下
  • 65歳以上夫婦世帯:192万8000円

例えば、1級地で収入が年金のみの場合、65歳以上の単身者は受給額が155万円以下であれば住民税がかかりません。また、65歳以上の夫婦では一方が211万円以下、かつ配偶者が155万円以下であれば非課税になります。

1級地が最も基準額が高く、2級地・3級地になるほど、非課税となる基準額(ボーダーライン)は低くなっていきます。

なお、住民税が非課税になる収入の目安は自治体により異なるため、正確な金額については自治体の税務課・住民税課などで確認してください。

3. 【住民税】手元に届いたら確認すべき「住民税納税通知書」3つのポイント

住民税が課される方には、毎年6月に「住民税納税通知書」が自治体から送付されます。住民税納税通知書は、昨年どれだけ収入があり、税金がいくらかかって毎月いくら天引きされるのかが記載された重要な書類です。

年金から天引きされる方にも6月から順次発送が進められるため、お手元に届いた際には、内容に間違いがないか確認してみることをおすすめします。

では、住民税納税通知書で確認すべき3つのポイントをご紹介します。

3.1 納税額

納税額欄には、1年間に納付すべき個人住民税の合計額と、年金から天引きされる金額が記載されています。

3.2 納税スケジュール

住民税は、4月・6月・8月・10月・12月・2月の年6回、年金支給日に年金から天引きされます。住民税納税通知書には、それぞれの支給日に、いくら天引きされるのかが記載されています。

なお、4月・6月・8月の住民税は、前年度の年税額の2分の1を、3分の1に分けた金額(6分の1の金額)が「仮徴収」されます。そして、10月・12月・2月分は決定した納税額から仮徴収した金額を差し引いた分の3分の1が、それぞれ「本徴収」されます。

3.3 所得控除額

住民税を計算する際には、さまざまな控除を受けられます。医療費控除や社会保険料控除、生命保険料控除など、申告した控除が間違いなく適用されているかを確認しましょう。

4. おわりに

年金受給者で住民税の納付義務がある方には、6月に住民税納税通知書が送付されます。

住民税納税通知書は、年金から天引きされる金額や手取り額を知るうえで大切な書類であるため、お手元に届いた際には速やかに内容を確認しましょう。なお、お手元に届くまでに1週間〜10日ほどかかることもあります。

参考資料

木内 菜穂子