5. 年金を受け取りながら働く人が知っておきたい「在職老齢年金制度」の仕組み

60歳以降も働き続ける人にとって、年金と給与収入を組み合わせることは、老後の家計を支える現実的な選択肢です。

ただし、老齢厚生年金を受け取りながら会社員などとして働く場合は、「在職老齢年金制度」に注意が必要です。

在職老齢年金制度とは、賃金や賞与をもとにした報酬と老齢厚生年金の合計が一定額を超えた場合に、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止される仕組みです。

なお、支給停止の対象は老齢厚生年金であり、老齢基礎年金は対象外です。働いて収入が増えたからといって、年金全体が減額されるわけではありません。

5.1 2026年4月から基準額は月65万円へ

在職老齢年金制度の見直しについて9/9

在職老齢年金制度の見直しについて

出所:厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」

2026年度からは、支給停止の判定に使われる「支給停止調整額」が、2025年度の月51万円から月65万円へ引き上げられました。

この改正により、給与や賞与をもとにした報酬と老齢厚生年金の合計が月65万円以下であれば、老齢厚生年金は減額されずに受け取れます。

これまで年金の減額を気にして勤務日数や労働時間を抑えていた人にとっては、働き方を見直すきっかけになるでしょう。

ただし、もともと報酬と老齢厚生年金の合計が月51万円以下だった人は、今回の見直しによる直接的な影響は限定的です。

60歳以降の働き方を考える際は、年金額だけでなく、給与収入や税金、社会保険料も含めて家計全体で確認しておきましょう。