7. まとめにかえて:老後のお金とどう向き合うべきか
ここまで見てきたように、年金額そのものは増額改定が続いている一方で、実際の老後生活では「生活費をまかなえるか」という感覚との間にギャップが生じています。
そこで参考になるのが、シニア世帯が現在の暮らしをどのように感じているのかを示すJ-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査です。
調査では、70歳代の単身世帯の35.5%が「日常生活費の確保が難しい」と回答しています。老後の家計に余裕を感じられない世帯が少なくない現状が見えてきます。
2026年度は年金額が引き上げられましたが、同時に物価上昇への対応も避けて通れません。調査では、「生活にゆとりがない・苦しい」と感じている人は、二人以上世帯・単身世帯ともに87.7%と高い割合に達しています。
その背景として多く挙げられているのが、食品や日用品を中心とした物価上昇です。公的年金は老後生活の重要な土台ですが、インフレ環境では年金だけに頼ることの難しさも意識する必要があります。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で自身の受給見込み額や追加でもらえる年金がないかを確認し、そのうえで預貯金、投資、保険などを組み合わせながら、長期的な視点で老後資金を準備していくことが大切です。
参考資料
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」
- 日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」1 主な年齢の平均余命
マネー編集部年金班
