2. 現役並み所得者とは
後期高齢者医療制度における「現役並み所得者」とは、同一世帯の後期高齢者医療制度の被保険者の中に、課税所得が145万円以上の方がいる場合など、一定の要件に該当する人を指します。課税所得とは、収入から各種控除を差し引いた後の金額です。
75歳以上の方の医療費の窓口負担割合は原則1割ですが、一定以上の所得がある方は2割負担となります。また、同一世帯の被保険者の所得状況などにより現役並み所得者と判定された場合は、現役世代と同じ3割負担になります。
2.1 いくらから現役並み所得者になる?
現役並み所得者かどうかは、まず同一世帯の被保険者のなかに住民税課税所得145万円以上の人がいるかが確認され、そのうえで収入基準を満たしているかどうかが確認されます。「課税所得」は年金や給与などの収入から各種控除を差し引いた後の金額です。
具体的な年収での基準は以下のとおりです。
- 単身世帯:年収383万円以上
- 世帯に被保険者が2人以上いる場合:世帯収入合計520万円以上
- 世帯に被保険者が1人で、かつ70歳以上75歳未満の人がいる場合:その人との収入合計が520万円以上
つまり、3割負担の判定は単純に年金収入だけで決まるのではなく、課税所得と世帯全体の収入状況をもとに判断される仕組みです。
さらに、現役並み所得者は課税所得の額に応じてⅠ・Ⅱ・Ⅲの3区分に分かれており、区分によって高額療養費の上限額が異なります。詳しくは次章で解説します。
2.2 年金収入のみで現役並み所得者になる人はどれくらいいる?
年金収入のみで現役並み所得者に該当するには、月額約32万円以上の受給が目安です。厚生労働省の調査によると、厚生年金受給者の年金月額の分布は以下のとおりです。
- 1万円未満:43,399人(約0.27%)
- 1万円以上5万円未満:194,436人(1.21%)
- 5万円以上10万円未満:2,816,139人(17.51%)
- 10万円以上15万円未満:5,016,238人(31.18%)
- 15万円以上20万円未満:4,987,811人(31.01%)
- 20万円以上25万円未満:2,662,397人(16.55%)
- 25万円以上30万円未満:345,993人(2.15%)
- 30万円以上:19,283人(0.12%)
厚生年金受給者の平均月額は約15万円で、月額30万円以上を受給している方は受給権者全体の約0.1%にとどまっています。
年金収入のみで3割負担になるケースは限られており、判定にあたっては年金収入だけでなく、給与収入や事業収入、老齢年金収入等を含めた収入状況が考慮されます。

