3. 市場はどう見るか?「減収増益」の今期予想
過去の実績がどれほど素晴らしくても、株式市場が常に見据えているのは「未来」です。その意味で、NECが発表した新年度(今期)の業績予想は、投資家にとって解釈が難しい内容となりました。
会社が発表した今期予想は、売上収益が3兆5,000億円(前年比2.3%減)、本業の稼ぐ力を示すNon-GAAP営業利益(※)が4,200億円(同5.7%増)というものでした。また、株主還元については、年間配当を前期の38円から40円へ増配する方針を示しています。
(※Non-GAAP営業利益:リストラ費用やM&A関連費用など、一時的な要因を除外して、企業が本来持っている稼ぐ力を示した利益指標)
この予想について泉田氏は、プロの目線から次のように問題提起をします。
「減収若干増益予想になってますね。今までの勢いとちょっと違う感じはします。この辺を株式市場がどう受け止めるかというところが大事なんです」
2期連続で30%〜40%台の大幅増益を叩き出してきた企業が、突如として「売上は減り、利益は5%ちょっとしか増えない」という予想を出してきたわけです。投資家からすれば、「成長がピークアウト(頭打ち)したのではないか?」と不安になる数字です。
しかし泉田氏は、表面的な数字だけで判断するのは危険だと警鐘を鳴らします。
この予想が、本当に成長が止まったことを意味するのか、それとも経営陣があえて保守的(慎重)な数字を出しているだけなのか。それを判断するためには、会社全体の数字だけでなく、「どの事業がどう変化するのか」という内訳(セグメント)を見極める必要があるのです。
