5. 投資家必見!NEC株の正しい追い方

NECの投資判断のフレームワーク6/6

NECの投資判断のフレームワーク

出所:イズミダイズム作成

では、今後私たちがNECの株に投資を検討する際、どのような点に注目して業績を追っていけばよいのでしょうか。

一般的な株式投資では、3ヶ月ごとに発表される四半期決算の売上や利益の進捗率を細かくチェックするのがセオリーです。しかし泉田氏は、NEC、特に今後の成長ドライバーとなる社会インフラ事業に関しては、そのやり方は通用しにくいと指摘します。

「これ公共事業なんで、だいたいやっぱり3月末にしっかり出来上がるかどうかって、かかってる人みんながそこに向けて動いてるんですよ」

防衛設備や海底ケーブルといった巨大なインフラ案件は、国の予算に基づいて動く公共事業の側面が強くあります。そのため、売上や利益が計上されるタイミングが年度末(3月)に極端に偏る傾向があるのです。

第1四半期や第2四半期の数字が悪かったとしても、それは単に期末にズレ込んでいるだけで、実態としての業績悪化を意味しないケースが多々あります。

「では、どうやって投資判断をすればいいのか?」と問われると、泉田氏は機関投資家ならではの大きな視座を提示しました。

「あまり細かく見ようとするよりは、①トレンド②国がどういっているのか③NECの受注動向がどうなのかなど、そういうのを見る方がいいかなと思います」

AIの普及によって膨張し続けるデータ通信量、地政学リスクの高まりを受けた防衛予算の増額、そして経済安全保障の観点から重要視される通信インフラの国産化。NECが手掛ける事業は、こうした巨大な「マクロ環境の変化」や「国策」と完全に合致しています。

目先の四半期決算のブレに一喜一憂するのではなく、国がどのような予算を組み、世界がどのような方向へ向かっているのかという「トレンド」を見極めること。それこそが、生まれ変わったNECの企業価値を正しく測り、投資チャンスを掴むための最大の秘訣と言えるでしょう。

6. まとめ

今回は、TOPIXを大きくアウトパフォームするNECの最新決算と株価動向について、元機関投資家の泉田良輔氏の解説をご紹介しました。

驚異的な利益成長の裏にある構造改革の成果や、ITサービスから社会インフラへと成長の主役が交代するダイナミズム、そして公共事業特有の業績の追い方など、プロならではの視点が満載の分析でした。

目先の「減収増益」という控えめな予想に惑わされず、その奥にある国策テーマやマクロトレンドの変化に目を向けることが、今後の投資判断において重要になりそうです。

参考資料

  • 日本電気株式会社「2026年3月期 決算短信」(2026年4月28日)
  • 日本電気株式会社「2026年3月期 決算説明会資料」(2026年4月28日)
  • 日本電気株式会社「過去5年業績推移資料」
  • Youtubeチャンネル「イズミダイズム」