5. 現金性資産「約3兆円」!無借金経営が示す圧倒的な還元余力
キーエンスの強さは損益計算書(売上や利益)だけでなく、貸借対照表(資産と負債のバランス)にも明確に表れています。泉田氏は、同社の財務体質がどれほど強固であるかを具体的な数字を挙げて解説しました。
まず、総資産3兆6,707億円に対して、返済不要な自分たちのお金である純資産が3兆4,715億円を占めています。
これにより、財務の安全性を示す「自己資本比率」は94.6%という驚異的な水準に達しています。さらに、借入金が一切ない「無借金経営」を貫いています。
特筆すべきは、その資産の中身です。泉田氏が貸借対照表を読み解くと、現金および預金が5,970億円、すぐに現金化できる有価証券が8,969億円、そして投資有価証券が1兆5,143億円計上されていました。
これらを合計すると、なんと約3兆82億円もの「現金性資産」を保有していることになります。
これほど巨額のキャッシュが積み上がる背景には、同社の強力なキャッシュ創出力があります。本業の営業活動で実際にどれだけの現金を稼いだかを示す「営業キャッシュフロー」を見ると、前期が約4,100億円、今期が4,307億円と、毎年4,000億円規模の現金を生み出し続けているのです。
【動画で解説】キーエンス、決算発表直後に株価が10%近くも急伸
しかも、キーエンスは自社で大規模な製造工場を持たないビジネスモデル(ファブレスに近い形態)であるため、設備投資にかかるお金が比較的少なく済みます。結果として、稼いだお金がそのまま手元にどんどん貯まっていく構造になっているのです。
