お母さん業をやっていると、子供のお友達のおじいさんやおばあさんが亡くったことを知ることもあります。保育園から懇意にしていたおうちのお世話になったおじいちゃんやおばあちゃんだと、お焼香しにお通夜へ行こうと思います。
そんなおじいちゃんとおばあちゃんのお葬式はというと、3件は家族葬、2件は一般葬でした。家族葬と聞いて「香典だけでも」とママ友のおうちに持っていったら「香典は受け取らないのでごめんね、気持ちだけ受け取ります」と返されたことがありました。当時、まだ家族葬というものに慣れていなかったので、正直違和感がありましたが、結構その後同じようなパターンが続出し「別に特別なことじゃないんだな」と今は思えるようになりました。

また、ママ友のお父さんの一般葬に行ったこともあります。身内として参列していたママ友が「本当にありがとう」といってくれました。親の死によって自分がダメージを受けても次から次へとやらなくてはいけない、決めなくてはいけないことがあるなかで、普段仲良くしているママ友の存在はつかの間ホッとできるものだったようです。自分に置き換えた場合でも、普段仲良くしているママ友の姿が見えたらホッとするだろうなと思いました。

案外家族葬も悪くない

普通のお葬式(一般葬)のいいところは、色々な人に勇気付けられるという所だと思います。結婚式と同じパターンです。「故人はこんなにいろいろな人との交流があったんだな」と分かる機会でもあります。家族葬のいいところは、会葬者に気を遣わないで済むところです。

冠婚葬祭は「こうするべきだ」というしきたりが幅をきかせがちです。でも、その呪縛に囚われすぎることはないな、というのが筆者の正直な感想です。お葬式は、残された者の心の整理をつける儀式、パートナーが亡くなっても自分1人じゃないんだなと確認する儀式、故人が亡くなったという事実を受け入れる儀式だと感じています。

住んでいる地方やそのウチの考え方によって「当たり前」が違ってきます。さらに「地獄の沙汰も金次第」というように、いくら葬式代があるか?によって、できることは変わってきます。背に腹は代えられないのです、ない袖は振れないのです。

とてもシビアな物言いですが、親が亡くなるタイミングは、子供が中高大とお金のかかるタイミングです。親の万が一の時に慌てなくて済むように、どれくらいお金が掛かるか?親には話さなくてもいいので事前見積りを取っておくとお金のプランニングができ、不明なことが減るので不安が減ります。葬儀社への事前見積りは今や普通なので、フリーダイヤルに掛けて概算が分かるだけでもスッキリしますよ。

堀田 馨