「どのような状態だと身体障害者手帳が交付されるのだろうか」と、疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

ゴールデンウィークも終わり、日差しが心地よい5月となりました。

来月には年金の支給日も控えており、日々の暮らしについて考える機会も増える時期ではないでしょうか。

生活設計を立てる上で、公的な支援制度に関する正確な知識は欠かせません。

この記事では、厚生労働省が公表している最新の調査結果を基に、身体障害者手帳の交付対象となる障がいの種類や、手帳を持つことで受けられる支援について、具体的に解説していきます。

1. 身体障害者手帳の等級とは?1級から6級までの交付対象となる障がいを解説

障害者手帳には3つの種類があり、そのうちの一つが身体障害者手帳です。

この手帳は、身体機能に永続的な障がいを持つ方に対して交付される公的な証明書となります。

認定は都道府県知事などが行い、障がいの程度に応じて重い順に1級から6級までの等級が設定されています。

なお、7級は単独では交付対象になりませんが、複数の障がいが重複する場合には6級として認定されることがあります。

障害者手帳について1/3

障害者手帳について

出所:厚生労働省「障害者手帳」

1.1 身体障害者手帳の交付対象となる9つの障がい区分

身体障害者手帳が交付されるのは、身体障害者福祉法別表で規定されている身体上の障がいがあり、その障がいが一定以上の程度で永続すると判断された場合です。

具体的には、以下の9つの障がいが交付の対象となります。

  1. 視覚の障がい
  2. 聴覚または平衡機能の障がい
  3. 音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障がい
  4. 肢体の不自由
  5. 心臓、じん臓または呼吸器の機能の障がい
  6. ぼうこうまたは直腸の機能の障がい
  7. 小腸の機能の障がい
  8. ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障がい
  9. 肝臓の機能の障がい

2. 身体障害者手帳の所持者は467万人超「肢体不自由」と「内部障がい」が8割を占める

身体障害者手帳交付台帳とは、身体障害者福祉法施行令に基づき、各都道府県などが手帳の交付状況を管理するために用いる公的な記録です。

この台帳のデータを確認することで、手帳所持者の障がい種別の内訳や、年次ごとの所持者数の推移などを把握できます。

厚生労働省「令和6年度福祉行政報告例の概況」によると、2024年度(令和6年度)時点での身体障害者手帳交付台帳登載数は、467万4999件となっています。

2.1 障がいの種類別に見る内訳

身体障害者手帳交付台帳登載数2/3

身体障害者手帳交付台帳登載数

出所:厚生労働省「令和6年度福祉行政報告例の概況」

【障がい種類別の内訳】

  • 肢体不自由:224万7815件(48.1%)
  • 内部障害:161万8720件(34.6%)
  • 聴覚・平衡機能障害:43万9036件(9.4%)
  • 視覚障害:31万2992件(6.7%)
  • 音声・言語機能またはそしゃく機能障害:5万6436件(1.2%)

「内部障がい」とは、心臓、腎臓、肝臓といった内臓の機能に関する障がいをまとめた呼称です。

現状では、肢体不自由と内部障がいを合わせると、全体の8割を超える割合を占めています。

3. 障害者手帳で受けられる生活支援の内容

障害者手帳を取得した上で必要な申請手続きを行うと、福祉分野だけでなく、日常生活における経済的な負担を軽くするための多様な支援を受けられる場合があります。

その代表例として、公共料金の割引や、所得税・住民税の税制上の優遇措置など、全国的に利用可能な制度が挙げられます。

障害者手帳で利用できるサービスの一例3/3

障害者手帳で利用できるサービスの一例

出所:LIMO編集部作成

3.1 受けられる支援サービスの具体例

  • 公共料金の割引:鉄道、バス、タクシーの運賃、携帯電話料金、NHK受信料など
  • 税制上の優遇措置:所得税、住民税、自動車税の控除や減免
  • 医療・福祉関連:自立支援医療(更生医療)制度による医療費自己負担の軽減、補装具購入費用の支給
  • 福祉サービスの利用:居宅介護(ホームヘルプ)やグループホームなどの利用

※これらの支援内容は、お住まいの自治体、サービスを提供する事業者、または障がいの等級によって異なる場合があります。

4. まとめ

この記事では、身体障害者手帳の等級や交付の対象となる障がいの種類、そして手帳によって利用できる支援制度についてご説明しました。

手帳の対象は肢体不自由だけでなく、内部障がいも含まれており、現在では467万人以上の方がこの制度を利用しています。

1級から6級までの等級に応じて、医療費の助成や公共料金の割引など、幅広いサポートが提供されています。

ご自身やご家族の体調に変化があり、不安を感じている方は、まずはお住まいの市区町村の福祉担当窓口へ相談してみてはいかがでしょうか。

制度について正しく理解し、公的な支援を上手に活用することが、より安心できる自分らしい生活を送るための第一歩となるでしょう。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

マネー編集部社会保障班