2026年4月募集(5月15日発行)の個人向け国債の金利は、大手銀行の普通預金(年0.3%程度)を大きく上回る水準です。長らく続いたマイナス金利時代が終わり、「金利のある世界」が戻りつつある今、安全かつ比較的高い利回りで資産を運用できる個人向け国債が改めて注目を集めています。

本記事では、財務省が公表している直近の発行条件をもとに1000万円を預けた際の利息シミュレーションを行い、主なメリットや向いている人の特徴・活用場面を解説します。

1. 直近募集分の個人向け国債の金利

個人向け国債には3種類あり、2026年4月募集分(5月15日発行)の金利は以下の通りです(財務省発表)。

  • 変動10年型(第193回債):年1.55%(初回金利、半年ごとに見直し)
  • 固定5年型(第181回債):年1.79%
  • 固定3年型(第191回債):年1.51%

2026年4月募集分の金利1/3

2026年4月募集分の金利

出所:財務省「個人向け国債」

大手銀行の普通預金金利(年0.3%程度)と比較すると、固定5年型は約6倍の水準です。「元本を守りながら少しでも増やしたい」と考える方にとって、有力な選択肢となっています。

変動10年型は半年ごとに金利が見直されるため、今後さらなる金利上昇があれば恩恵を受けられる可能性があります。固定型は購入時の金利が満期まで変わらないため、「先行きの金利低下リスクを避けたい」方に向いています。

2. 1000万円を預けた場合の利息シミュレーション

1000万円を各種個人向け国債および普通預金に預けた場合、初年度の利息(税引き前)の概算は以下の通りです。

  • 変動10年型(1.55%):年間約15万5000円
  • 固定5年型(1.79%):年間約17万9000円
  • 固定3年型(1.51%):年間約15万1000円
  • 大手銀行普通預金(0.30%):年間約3万円

固定5年型に1000万円を預けた場合、普通預金と比べて年間で約14万9000円多く受け取れる計算です。5年間保有し続ければ単純計算で70万円以上の差が生まれる可能性があります(税引き前)。

なお、実際の利息は半年ごとに支払われ、利息には20.315%の税金がかかる点には留意しましょう。

3. 個人向け国債の主なメリット

個人向け国債は日本国政府が発行する債券で、満期まで保有すれば額面金額で償還されます。株式や投資信託のように市場価格の変動で元本割れする商品ではないため、安全性を重視する資金の置き先として検討しやすい商品です。

最低購入額は1万円で、少額から始められます。まとまった資金がない方でも無理なく始められる点もメリットの一つです。

個人向け国債のポイント2/3

個人向け国債のポイント

出所:財務省「個人向け国債」

なお、発行から1年以上経過すれば、いつでも換金できます。ただし換金時には「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」が中途換金調整額として差し引かれる点には注意が必要です。

4. 個人向け国債が向いている人の特徴と活用できる場面

個人向け国債の特徴を踏まえると、向いている人の特徴は以下のとおりです。

  • 退職金や相続資産など、まとまったお金を「安全に置いておきたい」人
  • 株式や投資信託のような価格変動リスクに不安を感じる人
  • 定期預金よりも少し高い利回りを求めている人
  • 国が保証する安全性を最優先にしたい人

なお、個人向け国債は近くの銀行やネット証券などで購入の申込みができます。

ご購入までの流れ3/3

ご購入までの流れ

出所:財務省「ご購入方法について」

5. まとめにかえて

直近の個人向け国債(2026年4月募集分・5月発行)は、固定5年型が年1.79%、変動10年型が年1.55%と、普通預金(0.3%程度)を大幅に上回る金利水準となっています。1000万円を固定5年型に預けた場合、普通預金との利息差は年間約15万円に達します。

国が元本を保証する安全性と、ある程度の利回りを両立できる商品として、老後資金の一部を充てる価値は十分にあるでしょう。中途換金時のルールや税負担も踏まえたうえで、自身の資金計画に合った種類を選んでみてください。

参考資料

柴田 充輝