1.2 配偶者や子がいる人は確認したい「加給年金」

加給年金とは、老齢厚生年金に上乗せされる年金です。給付金や手当という名称ではありませんが、一定の配偶者や子を扶養している人に加算されるため、年金制度上の「家族手当」のような位置づけです。

対象となるのは、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方、または共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が、40歳(女性および坑内員・船員は35歳)以降に15年以上19年以下ある方で、65歳到達時などに生計を維持している配偶者または子(※)がいる場合です。
※配偶者の年齢は65歳未満、子は18歳到達年度の末日まで、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子が対象

2026年4月からの加給年金額は、配偶者と1人目・2人目の子が各24万3800円、3人目以降の子が各8万1300円です。配偶者については、受給者本人の生年月日に応じて特別加算が加わる場合もあります。

加給年金額と配偶者加給年金額の特別加算額2/4

加給年金額と配偶者加給年金額の特別加算額

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

ただし、配偶者が一定の老齢厚生年金や障害年金を受け取る権利を有している場合には、実際に受給しているかどうかにかかわらず、配偶者分の加給年金額が支給停止となることがあります。

家族構成や配偶者の年金加入歴によって扱いが変わるため、詳細の要件に関しては年金事務所で確認することが大切です。

1.3 65歳以上で離職した人の「高年齢求職者給付金」

65歳以上で雇用保険に加入して働いていた人が離職した場合、一般的な基本手当ではなく、高年齢求職者給付金の対象になります。

高年齢被保険者が失業した場合、被保険者であった期間に応じて、基本手当日額の30日分または50日分に相当する高年齢求職者給付金が支給されます。

被保険者であった期間が6か月以上1年未満の場合は30日分、1年以上の場合は50日分です。

離職後も働く意思と能力があるにもかかわらず失業している方向けの給付金で、支給を受けられる期限は離職日の翌日から1年です。手続きが遅れると、本来受け取れるはずの日数分が少なくなる可能性がある点は注意が必要です。

1.4 常時介護が必要な人への「特別障害者手当」

特別障害者手当は、精神または身体に著しく重度の障害があるため、日常生活において常時特別の介護を必要とする在宅の20歳以上の人に支給される手当です。

高齢者でも、たとえば要介護4や5の認定を受けている方や重度の認知症と診断されている方は対象となる可能性があります。

ただし、施設(※)に入所している場合や、病院などに一定期間を超えて入院している場合、または本人やその配偶者、受給資格者の生計を維持する扶養義務者の所得が一定額を超える場合は、支給対象外となることがあります。
※特別養護老人ホームなど

2026年度の特別障害者手当は月3万450円です。

高齢になって病気や障害が重くなると介護保険からの給付を想定しがちですが、状態によっては福祉に関する手当が該当する可能性もあります。本人が手続きできない場合も多いので、万が一のために、配偶者や子などの家族が制度を知っておくと安心です。