ゴールデンウィークも明け、新年度の慌ただしさが少し落ち着いた頃でしょうか。5月は、昇進や異動といった環境の変化を経て、ご自身のキャリアについて改めて考える良い機会かもしれません。
キャリアアップの選択肢として管理職への昇進がありますが、収入は具体的にどのくらい変わるのでしょうか。
この記事では、公的なデータをもとに中間管理職の平均年収に焦点を当て、その役割や現実について解説します。ご自身のキャリアプランを設計する上での参考にしてみてください。
1. 【役職別】中間管理職の平均年収は?部長・課長・係長の給与データを解説
はじめに、厚生労働省が公表した「令和7年賃金構造基本統計調査 役職別」のデータに基づき、中間管理職である「部長」「課長」「係長」の平均的な年収について見ていきましょう。
※本記事で用いる賃金とは、調査が実施された年の6月分における所定内給与額の平均です。これは、実際に支払われた現金給与額から時間外労働などの手当を差し引いたもので、所得税などが天引きされる前の金額となります。
まず、部長・課長・係長それぞれの平均賃金と平均年齢は以下の通りです。
1.1 役職別・男女別の平均月収と平均年齢
- 部長
- 男女計:平均賃金 63万5800円/平均年齢 53.1歳
- 男性:平均賃金 64万2400円/平均年齢 53.1歳
- 女性:平均賃金 57万8300円/平均年齢 53.0歳
- 課長
- 男女計:平均賃金 52万9200円/平均年齢 49.5歳
- 男性:平均賃金 54万1400円/平均年齢 49.5歳
- 女性:平均賃金 47万300円/平均年齢 49.4歳
- 係長
- 男女計:平均賃金 39万9200円/平均年齢 45.4歳
- 男性:平均賃金 41万900円/平均年齢 45.3歳
- 女性:平均賃金 36万5700円/平均年齢 45.7歳
上記の月収を基に、男女計の平均年収を試算します。ここでは、ボーナスが年に2回、合計で月収の4カ月分が支給されると仮定します。
1.2 ボーナス込みの推定平均年収を役職別に試算
- 部長職の平均年収:約1017万円
- 課長職の平均年収:約846万円
- 係長職の平均年収:約638万円
比較対象として、役職に就いていない一般社員(非役職者)のデータも見てみましょう。
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非役職者
- 男女計:平均賃金 31万500円/平均年齢 41.8歳
- 男性:平均賃金 33万2100円/平均年齢 42.1歳
- 女性:平均賃金 28万100円/平均年齢 41.3歳
同様に年収を試算すると、非役職者の平均年収は約504万円となります。
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者全体の平均年収は478万円でした。この結果と比べると、中間管理職の年収は全体平均を上回る水準にあることが分かります。
また、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 役職別」によると、役職者と非役職者の賃金格差は、部長が非役職者の約2.05倍、課長が約1.7倍、係長が約1.28倍となっています。
中間管理職は給与水準が高い反面、相応の責任を担うことになります。近年では「管理職は罰ゲーム」と表現されることもあり、誰もが管理職を目指すわけではないのが実情のようです。
2. 高収入だけではない?中間管理職が直面する現実的な課題
中間管理職は平均年収が高い水準にある一方で、多くの責任や悩みを抱えている現実もあります。
「管理職は罰ゲーム」といわれる背景には、責任や業務量の増大、経営層と部下の板挟み、部下の育成に関する悩み、ハラスメントのリスクなどが挙げられます。状況は企業によって様々ですが、業務の効率化だけでなく、社内制度や研修体制の見直しが求められるケースもあるでしょう。
また、管理職には適性も影響します。目標達成力や課題解決能力、部下育成能力、ストレス耐性などを持ち、チームで成果を出すことにやりがいを感じる人には向いているといえます。
その一方で、マネジメント業務よりも専門性を追求するスペシャリストとしてのキャリアを望む人や、そちらのほうに適性がある人もいます。
収入アップという側面だけで役職を目指すのではなく、ご自身の適性やキャリアの志向に合った選択をすることが重要です。
3. まとめ:キャリアプランを考える上でのヒント
中間管理職は多様な役割を担うため、精神的な負担を感じやすい立場です。そのため、心身の健康を維持するためのセルフケアやストレス管理が非常に重要になります。定期的な運動や質の良い睡眠、バランスの取れた食事、趣味の時間などを確保し、自分なりのリフレッシュ方法を見つけておくことが大切です。
また、収入を増やす手段は、役職に就くことだけではありません。
現在の仕事でスキルを磨き昇給を目指す方法のほか、勤務先の規定が許せば副業を始める、あるいはリスクを理解した上で資産運用に取り組むといった選択肢も考えられます。
どの方法を選択するにしても、メリット・デメリットやリスクは存在します。そして、いずれの場合も「継続すること」が成功への重要な要素の一つといえるでしょう。
この機会に、ご自身に合ったキャリアプランやマネープランをじっくりと検討してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
マネー編集部貯蓄班