2. 任意継続のメリットは「保険料の上限」高年収層ほど有利になる理由
健康保険の任意継続制度とは、退職前に加入していた健康保険組合や協会けんぽに、退職後も最長で2年間継続して加入できる仕組みのことです。
2.1 保険料は全額自己負担に
在職中は保険料を会社と折半していましたが、任意継続では会社負担分がなくなります。
そのため、これまでの事業主負担分も含めた全額を、ご自身で納付する必要があります。
2.2 標準報酬月額に上限設定あり
ただし、保険料を計算する際の基準となる「標準報酬月額」には、上限額が設けられています。
2.3 協会けんぽを例に解説
全国健康保険協会(協会けんぽ)を例に挙げると、令和8年度の標準報酬月額の上限は32万円と定められています。
この金額は、全加入者の平均給与(令和7年9月末時点)を基に決定されたものです。
これにより、在職中の月収が例えば50万円や80万円だった方でも、保険料は上限額である「32万円」を基に計算されることになります。
前年の所得に応じて保険料が決まる国民健康保険と比較して、支払額を大きく抑えられる可能性があるのは、この上限設定があるためです。
協会けんぽのような制度では、在職中の給与が高かった方ほど「標準報酬月額の上限」の恩恵を受けやすくなります。
結果として、所得に連動して保険料が算出される国保よりも、支払額が安くなる場合があります。
ちなみに、全国健康保険協会「協会けんぽ月報(概要)(令和6年7月)」によると、令和6年7月末時点での被保険者全体(約2556万人)のうち、任意継続を選択しているのは約20万2000人です。
これは全体の約0.8%にとどまり、選択する人は少数派であることがわかります。
多くの方が退職後に別の選択肢を選んでいる現状を踏まえ、ご自身の状況で任意継続が本当に有利なのかを慎重に見極めることが重要です。
