オリエンタルランド(4661)は4月28日、2026年3月期通期の決算とともに、株主優待の拡充を発表しました。
今回の拡充は、2026年9月30日の基準日に100株以上を保有する株主を対象に、東京ディズニーリゾートで利用できる「1デーパスポート」を1枚贈呈するというものです。
本来、9月末の権利確定で優待をもらうには「100株以上を3年以上継続保有」するか、あるいは「2,000株以上を保有」することが条件でした。
今回は同社の上場30周年を記念し、100株保有でもパスポートがもらえる「特別優待」が実施されます。
こうした特別優待は、2025年の創立65周年記念に続く2回目となります。
発表があったのは4月28日の大引け後だったため、祝日を挟んだ本日30日が発表後初めての取引となりましたが、株式市場の反応は厳しいものでした。
この記事では、オリエンタルランド株の当日の値動きやチャート、配当の推移などについて詳しく解説します。
※記事中で記載の株価は全て終値です。 ※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
1. 【オリエンタルランド(4661)】4月29日の株価は10%超の急落、終値「2188.5円」
まずはオリエンタルランドの今の株価を振り返ります。
オリエンタルランドの2026年4月29日時点における株価と株価チャート、主な参考指標は以下の通りです。
1.1 株価と株価チャート、主な参考指標
ここ1年の株価の値動きをチャートでみてみましょう。
中国政府による渡航自粛要請などをきっかけに、昨年11月から緩やかな下落基調となっています。
オリエンタルランドの1年間の株価チャート

出所:各種資料をもとに筆者作成
30日の株価は、10%超安の2188.5円と急落しました。
この日の安値2188円は年初来安値を更新し、ほぼ安値引けとなっています。
- 株価(終値):2188.5円
- 前日比:▲10.10%
- PER(会社予想):31.53倍
- PBR(実績ベース):3.26倍
- 配当利回り(予想):0.73%
- 年初来高値 2947円(2026年1月7日)
- 年初来安値 2188円(2026年4月30日)
連休明け30日の株式市場で、オリエンタルランドの株価は前営業日比10%超の大幅安となる2188.5円まで急落しました。
この日の安値2188円は年初来安値を更新する水準であり、ほぼその日の最安値で取引を終える「安値引け」に近い形となっています。
株主優待の拡充という好材料はあったものの、市場の反応はそれを打ち消すほどの厳しいものとなりました。
急落の主因は、好調な集客の裏で鮮明になった「増収減益」の構造とみられます。
2026年3月期は、売上高が前期比3.7%増と過去最高を更新した一方、人件費や諸経費の増加で営業利益は2.1%の減益に着地しました。
さらに投資家を失望させたのが次期予想です。2027年3月期も従業員の賃金改定やホテルの修繕費が響き、4.5%の営業減益と“2026年3月期と2027年3月期の2期連続減益”を見込んでいます。
「夢の国」といえど、コスト増を補いきれない収益体質に市場はシビアな審判を下しました 。投資家は、優待という「プレゼント」以上に、稼ぐ力の持続性を注視しているようです。
さらに、オリエンタルランドの配当金の推移と今後の配当予想についても見ていきます。
1.2 2027年3月期の増配を公表
- 2026年3月期(中間配当):7.00円
- 2026年3月期(期末配当):8.00円
- 2027年3月期(中間配当)予想:8.00円
- 2027年3月期(期末配当)予想:8.00円
2026年3月期の期末配当は8.00円へと増配となります。また、2027年3月期の配当は中間・期末ともに8.00円と予想されています。
2. 【オリエンタルランド(4661)】100株の株主も「ディズニーの1デーパスポート」がもらえる「特別株主優待」を公表!2026年9月30日(基準日)
オリエンタルランドの上場30周年を記念した特別株主優待の詳細は以下の通りです。
- 対象株主:2026年9月30日(基準日)時点で、株式を100株(1単元)以上保有している株主
- 優待内容:現行の通常優待と長期保有株主向け優待に追加して、「株主用パスポート(東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーのどちらかのパークで利用できる1デーパスポート)」を1枚配布
- 配布予定時期:2026年12月(予定)
※パスポートの有効期限は2027年8月31日までです。
※年越し特別営業などの特別営業時間では利用できません。
この特別優待を受けるためには、権利付き最終日である2026年9月28日までに株式を買い付ける必要があります。
特別株主優待のパスポートは2026年12月に配布される予定です。通常の株主優待で受け取るパスポートとは有効期限が異なるため、利用の際はご注意ください。
3. 通常の株主優待は何株が対象?長期保有株主向け優待も解説
次に、オリエンタルランドが通常実施している株主優待制度について見ていきましょう。同社の株主優待は「通常株主優待制度」と「長期保有株主様向け優待制度」の2つの制度で構成されています。
まずは、保有株式数に応じて「1デーパスポート」がもらえる通常株主優待制度の内容から解説します。
3.1 通常優待の内容:保有株式数ごとのパスポート配布枚数
- 500株以上:0枚・1枚
- 2000株以上:1枚・1枚
- 4000株以上:2枚・2枚
- 6000株以上:3枚・3枚
- 8000株以上:4枚・4枚
- 10000株以上:5枚・5枚
- 12000株以上:6枚・6枚
※配布枚数は「9月末基準日・3月末基準日」の順で記載
次回、9月末の基準日では2000株以上の株式を保有していると優待の対象となります。
3月末の基準日とは異なり、500株では対象とならない点に注意が必要です。
3.2 長期保有株主向け優待制度の概要
この制度は、株式を長期間保有する株主を対象としており、通常の優待とは別に、毎年1枚のパスポートが追加で贈呈されます。
対象となるのは、2023年9月30日を最初の基準日として、100株以上の株式を3年以上継続して保有している株主です。条件として、毎年3月31日と9月30日の株主名簿に、同一の株主番号で連続7回以上記載または記録されることが求められます。
100株以上500株未満の保有では通常優待の対象にはなりませんが、この長期保有条件を満たすことで、追加優待のパスポートを受け取ることができます。
4. まとめにかえて
今回は、オリエンタルランド(4661)が打ち出した特別優待の全貌と、市場が突きつけた厳しい現実について解説しました。
同社は2027年3月期に年間16円への増配を見込むなど 、株主還元の意欲は見て取れますが、投資には常に変動リスクがつきまといます。
パスポートという特典や配当といった「表面的なリターン」だけでなく、人件費や諸経費の増加に直面する収益力 や、新たに設立した子会社によるクルーズ事業の行方 といった将来性を多角的に評価することが、賢明な判断への近道です。
ご自身のリスク許容度と照らし合わせ、確かな情報収集に基づいた、納得感のある資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
4.1 免責事項
- 当記事は情報提供を目的としており、特定の株式の購入や売却を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、最新の決算資料などをご自身でご確認の上、自己責任でおこなってください。記事の情報に起因して生じた損害について、当方は一切の責任を負いません。
- 株主優待の内容や条件は変更される可能性があります。必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。