3. 脱・映画依存:サンリオ・バンダイ型を目指す「IP・アニメ事業」

映画ヒットの有無で業績が乱高下する構造から脱却するため、東宝が中長期の成長ドライバーとして全社を挙げて注力しているのが「IP・アニメ事業」です。

実際、2027年2月期のセグメント別営業利益予想を見ると、その姿勢が鮮明に表れています。

映画事業がマイナス43億円、演劇事業がマイナス14億円(帝国劇場の建て替え工事が影響)、不動産事業がマイナス10億円と軒並み減益を見込む中、IP・アニメ事業だけがプラス47億円(利益予想220億円)と、唯一の力強い成長エンジンとして位置付けられています。

2027年2月期 セグメント別営業利益の増減予想3/5

2027年2月期 セグメント別営業利益の増減予想

出所:出所:東宝株式会社「2026年2月期 決算説明会資料」を基にイズミダイズム作成

【動画で解説】映画のヒットに依存しない東宝、屋台骨は「不動産」にあり

泉田氏はこの事業構造の転換について、投資家にも馴染み深い他業界の成功事例を引き合いに出して解説します。

「しっかり自分たちのIPをマネジメントして、そのIPを収益化させる。これってゲーム業界とすごい似た構造なのかなと思いました。あとサンリオとかもそうだよね」

バンダイナムコホールディングスが「ガンダム」や「ドラゴンボール」で稼ぎ、サンリオが「ハローキティ」などで安定収益を得ているように、自社が権利を持つキャラクターや作品(IP)を、グッズ販売、ゲーム化、海外配信など多様な「出口」で展開する。

この仕組みが完成すれば、毎年新作映画の当たり外れに一喜一憂することなく、継続的かつ安定的なビジネスモデルを構築できるのです。