3.  「With AI」から「Native AI」へ。SHIFTが描く未来図

主力事業の将来的な縮小を見据え、SHIFTはどのような生き残り戦略を描いているのでしょうか。決算説明会資料では、AIへの向き合い方を「With AI時代」と「Native AI時代」という2つのフェーズに分けて整理しています。

現在のSHIFTの売上構成を見ると、旧来のコンサルティング・開発・テストといった「既存事業」が全体の88%を占めています。

そして、この既存事業のプロセスにAIを組み込んで効率化を図る「With AI」の領域が11%となっています。

しかし、SHIFTが真に見据えているのはその先の「Native AI時代」です。ここでは「AIモダナイゼーション」と「AI BPaaS(ビジネス・プロセス・アズ・ア・サービス)」という2つの新しい事業概念が提示されています。

泉田氏は、このNative AIの発想について、従来のアプローチとは根本的に異なると解説します。人間が作った既存の業務プロセスをAIでどう手助けするかではなく、最初からAIが最大限に力を発揮できるように業務そのものを設計し直すというのです。

「AIが最適化したプロセスっていうのをちゃんと考えて、そういったものを作ってSaaSみたいな形で提供していく」

つまり、業務の進め方やシステムの構造(アーキテクチャ)をAI主導で再構築する支援を行うのが「AIモダナイゼーション」であり、その最適化されたプロセスそのものをクラウドサービスのように提供するのが「AI BPaaS」です。

SHIFTのAI戦略と売上構成比(既存事業88% / With AI 11% / AIモダナイゼーション・BPaaS 約0.3%)3/5

SHIFTのAI戦略と売上構成比(既存事業88% / With AI 11% / AIモダナイゼーション・BPaaS 約0.3%)

出所:出所:株式会社SHIFT 2026年8月期第2四半期 決算説明会資料を基にイズミダイズム作成

【動画で解説】SHIFT、主力事業はAIでなくなる可能性があると回答

ただし、この未来図には大きな課題もあります。現在の売上構成比を見ると、このNative AI領域(AIモダナイゼーションおよびBPaaS)の売上は「ほぼゼロ(約0.3%)」に過ぎません。

会社が将来の柱と位置づける事業が、まだ業績の数字として表れていない段階なのです。

既存のテスト事業がAIに取って代わられる前に、この新しい事業をどこまでスピーディーに立ち上げ、利益を生み出す柱に育て上げることができるか。これがSHIFTの今後の成長を左右する最大のポイントとなります。