3. 「老後2000万円」備えは安心?《60歳代》貯蓄の中央値「1400万円」
住む場所による不足額がわかったところで、次は「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」から、二人以上世帯でみる年代別の金融資産保有額で実際の備えを見ていきましょう。
こちらには金融資産を保有していない世帯を含みます。また、金融資産には預貯金や株式、保険等が含まれますが、生活費の引き落とし等に使う「日常的な普通預金」は除外されているため、純粋な将来への蓄えがわかります。
データを見ると、どの年代でも「平均額」が「中央値」を大きく上回っています。これは、一部の資産を多く持つ人が平均を押し上げており、実際の多くの人の状況とは差があることを示しています。全世代の詳細は表の通りですが、一例として主な現役世代からリタイア前後までの数字をピックアップすると以下のようになります。
- 30歳代:中央値 311万円
- 50歳代:中央値 700万円
- 60歳代:中央値 1400万円
リタイアを目前にした60歳代でも、中央値は1400万円にとどまっています。不足額が3000万円を超える地域に住んでいる場合、現状の蓄えだけでは不足する可能性があるため、今から地域の特性に合わせた準備を検討しておくと安心です。
まずは自分の年代の中央値を一つの目安にしながら、住んでいる地域で必要となる老後資金とのギャップを把握することが大切です。一律の目標額にとらわれず、自分の状況に合った資産形成を考えていきましょう。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)