国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は478万円。令和6年分のデータでは、年収400万円超の割合は52.0%と、全体の半数を超えています。

一方、男女間の格差は依然として大きく、女性の年収ボリュームゾーンは「200万円超〜300万円以下」にとどまっています。

本記事では、収入の実態を客観的なデータで整理しながら、国が用意する教育訓練給付制度を活用して収入アップを目指すための具体的な方法をわかりやすく解説します。

1. 日本の平均年収は478万円。過去30年間は400万円台で推移

国税庁が公表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」をもとに、最新の日本の平均年収を見ていきます。

1年間を通じて勤務した給与所得者の平均年収は、全体で478万円(男性587万円・女性333万円)という結果でした。

ただし、平均年収は一部の高所得者によって引き上げられやすい指標です。実態をより正確に反映する「中央値」は平均を下回ることが多く、自分の年収が478万円に届いていなくても、実は多数派というケースは珍しくありません。

資産計画を考える際には、他者との比較より、自分の支出・貯蓄・将来目標のバランスを軸に考えることが大切です。

2. 年収400万円超の人の割合はどのくらい?

令和6年分のデータでは、年収400万円の割合は52.0%と、全体の半数を超えました。5年前の令和2年分(45.3%)と比較すると約7ポイントの上昇であり、増加の傾向が続いています。

  • 令和2年:45.3%
  • 令和3年:46.9%
  • 令和4年:48.8%
  • 令和5年:49.2%
  • 令和6年:52.0%

ただし、年収が400万円を超えたとしても、支出がそれ以上に膨らめば資産は積み上がりません。収入が増えたタイミングで生活水準も一緒に上げてしまう「ライフスタイル・インフレ」には注意が必要です。

手取りの20%以上を貯蓄・投資に回すことが、長期的に経済的なゆとりを得るために大切な習慣です。

3. 男女別で見えてくる格差

同じデータを男女別に見ると、実態の差は一層鮮明になります。男性では約67.8%、つまり3人に2人が年収400万円である一方、女性では約31.0%と3人に1人程度にとどまっています。

最も人数が集中する年収帯(ボリュームゾーン)にも差があり、男性は「400万円超〜500万円以下」が16.9%であるのに対し、女性は「200万円超〜300万円以下」が19.0%と最多です。

この背景には、男女間の賃金格差に加え、出産・育児といったライフイベントに伴うキャリアの中断や就労形態の変化が影響しています。

4. 収入を増やすために有効活用できる教育訓練制度

教育訓練制度とは、働く人がスキルアップや資格取得のために学ぶ費用を、国が一部負担してくれる制度です。正式には「教育訓練給付制度」といい、厚生労働省が運営しています。

教育訓練給付制度2/2

教育訓練給付制度

出所:厚生労働省「教育訓練給付金」

対象となるのは、雇用保険に加入している在職者や、離職してから一定期間内の人です。給付金には3つの種類があり、「一般教育訓練給付金」は語学や簿記など幅広い講座が対象で、受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。

「特定一般教育訓練給付金」は、ITや介護など就職に直結しやすい資格が対象で、受講費用の40%(上限20万円)が支給されます。さらに、資格を取得し就職等をすると10%が追加され、最大で費用の50%(上限25万円)が支給されます。

また「専門実践教育訓練給付金」は、看護師や美容師など専門性の高い資格が対象で、受講中に受講費用の50%(年間上限40万円)、資格取得等と就職等の要件を満たすと70%(年間上限56万円)、さらに賃金が受講前より5%以上上昇した場合は80%(年間上限64万円)まで支給されます。

資格取得を通じてキャリアアップを実現できれば、収入を上げられます。また、転職せずとも、資格手当が支給されるようになるケースも考えられるでしょう。このような制度を通じて、国としても労働者のキャリアアップを支援しているため、教育訓練制度を有効活用しましょう。

5. おわりに

平均年収478万円という数字は、あくまで一つの目安です。大切なのは、自分の収入・支出・貯蓄のバランスを見直し、着実に資産を積み上げることです。収入を増やしたい方は、教育訓練給付制度を積極的に活用し、資格取得やスキルアップへの投資を検討してみましょう。

まずは厚生労働省の公式サイトで対象講座を確認し、自分に合ったコースへの申し込みを第一歩として踏み出してみてください。

参考資料

柴田 充輝