1.3 誤解3:「公的年金は元が取れないから意味がない」は本当か?
公的年金は、自身が支払った保険料を積み立てて将来受け取る、というだけの単純な貯蓄制度ではありません。
- 老齢年金:長生きすることによる経済的リスクに備える
- 障害年金:病気やけがで働けなくなった際の生活を保障する
- 遺族年金:加入者が亡くなった場合に残された家族の生活を支える
といった機能を備えた、総合的な社会保険制度としての側面を持っています。
そのうえ、所得を再分配する機能も有しており、現役時代の収入格差が、そのまま年金受給額の格差にならないように調整される仕組みになっています。
そのため、「支払った保険料の元が取れるか」という損得勘定だけで制度の価値を判断することは、公的年金が持つ本来の役割を見誤ることにつながりかねません。
2. 2026年度の公的年金受給額は増額、物価や賃金の変動を考慮
2026年1月に、厚生労働省から令和8年度における年金額の改定が発表されました。
▼令和8年度 年金額の例(月額)
- 国民年金(老齢基礎年金・満額1人分):月額7万608円(前年度より+1300円)
- 厚生年金(標準的な夫婦のモデルケース):月額23万7279円(前年度より+4495円)
※上記の厚生年金は、夫が平均的な収入(平均標準報酬額45万5000円)を得ながら40年間就業し、その妻が専業主婦であった場合の基礎年金を含んだモデル世帯の金額です。
この改定は、物価や賃金の変動を考慮したもので、結果として増額となっています。
著者
株式会社モニクルリサーチ
記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
神奈川県出身。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。中央大学文学部社会学科卒業後、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師として全国の個人投資家向けにセミナーを実施。企業型確定拠出年金(企業型DC)だけでなく、個人型確定拠出年金(iDeCo)も含めた制度や仕組み、投資信託の解説や市況などを伝える。フリーランスを経て、フィンテックベンチャーにて広報を担当。
現在は株式会社モニクルリサーチにて金融関連の取材や自社メディアに関するPR業務も担当。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、新NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。(2026年7月11日更新)
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)