内閣府が発表した3月の消費動向調査によると、消費者心理の落ち込み幅がコロナ禍が広がった2020年4月以来の大きさとなりました。
中東情勢の緊迫化や原油高を背景に、実に9割以上の人が「1年後も物価が上昇する」と見込んでおり、家計への不安が急速に高まっています。
このように足元の暮らしへの不安が広がる中、「今のやりくりで精一杯だけど、年金生活になったら生活していけるだろうか。本当に年金は受給できるのだろうか」と将来を危惧する声も増えています。
そこで本記事では、日本の年金制度について語られることの多い3つの疑問について紐解き解説をしていきます。年金制度への理解を深めるきっかけとしてください。
1. 公的年金制度は破綻する?よく聞かれる「3つの誤解」を解説
公的年金制度についてよく聞かれる3つの誤解を取り上げて解説します。
1.1 誤解1:公的年金制度は今のままでは破綻してしまうのか?
日本の公的年金制度には、「マクロ経済スライド」という仕組みが取り入れられています。
この制度は、少子高齢化の進行や平均寿命の延伸といった社会情勢の変化に応じて、年金の給付水準を自動的に調整するものです。
このように、年金財政の均衡を維持するための設計が制度自体に組み込まれているため、「ある日突然、年金の支給が停止する」といった事態は想定しにくい構造になっています。
したがって、重要な論点は「制度が破綻するか否か」ということよりも、将来的にどの程度の給付水準で制度を維持していくかという点にあるといえるでしょう。
1.2 誤解2:現役世代が負担する年金保険料は継続的に引き上げられるのか?
厚生年金の保険料率は2017年以降、18.3%で固定されています。
制度的に、この料率が際限なく引き上げられることはありません。
加えて、女性や高齢者の労働参加が進んだことで保険料収入が増加しており、年金積立金の残高は当初の想定を約70兆円上回る見込みです。
このように、単に国民の負担だけが増加し続けるという単純な話ではないことも、理解しておきたいポイントです。


