日々の買い物で物価の上昇を肌で感じている方も多いのではないでしょうか。今年1月に公表された「令和7年平均の消費者物価指数」は前年比+3.2%となり、私たちの生活に影響を与えています。

日本の公的年金は、こうした物価だけでなく、「現役世代の賃金」の動きも反映して毎年度金額が見直される仕組みです。

これらをもとに令和8年度の年金増額が決定し、いよいよ6月の支給分から新しい金額が振り込まれ始めます。

今回の改定で、国が示す「標準的な夫婦」のモデル世帯には、月額23万7279円が支給されることになりました。2カ月に1度の支払額に換算すると、およそ「47万5000円」にのぼります。

では、この金額は一体どのように算出されているのでしょうか?

本記事では、公的年金制度の仕組みを振り返りつつ、「標準的な夫婦」の支給額の根拠について分かりやすく解説します。今後の生活設計を考えるヒントとしてご活用ください。

1. 日本の公的年金制度、国民年金と厚生年金の「2階建て構造」を解説

日本の公的年金は、基礎となる「国民年金」と、その上乗せ部分である「厚生年金」から構成される2階建ての仕組みになっています。

厚生年金と国民年金の仕組み1/4

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入するもので、公的年金の土台となる部分です。保険料(※1)は、収入にかかわらず一律です。

一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に加えて加入する制度です。

保険料(※2)は毎月の給与や賞与の額に応じて決まります。

国民年金の保険料を加入義務のある全期間(480カ月)にわたって納付すると、65歳から満額(※3)の老齢基礎年金を受給できます。

保険料の未納期間がある場合は、その月数分が満額から減額される仕組みです。

厚生年金の受給額は、加入期間の長さと、現役時代に納めた保険料の額によって算出されます。

このように、年金の受給額は個人の状況によって変わるため、一人ひとり異なります。

しかし、厚生労働省が毎年度発表する年金額の改定内容に含まれる「年金額例」は、ひとつの目安として参考にできます。

具体的に、最新の2026年度(令和8年度)の年金額例を見ると、「標準的な夫婦世帯」の場合、次回の年金支給日である6月15日には「約47万5000円」が支給されることになります。

※1 国民年金保険料:2026年度は月額1万7920円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2026年度は月額7万608円