4. 生産性が「100倍」に?AIがもたらすSIerの現場革命
AIを使うことで、システム開発の現場はどれほど変わるのでしょうか。泉田氏は、決算説明会におけるCFO(最高財務責任者)の非常に興味深い発言を紹介しました。
それによると、全工程でAIを適用してうまくいっているケースでは、従来「3人月(1人が3ヶ月かかる、あるいは3人が1ヶ月かかる仕事量)」かかっていた開発が、わずか3〜4時間で完了するなど、生産性が100倍近くに向上する結果が出ているというのです。
SIerのビジネスは下請け・孫請けといった多重構造になっていることが多いという指摘に対し、泉田氏もそれに同意します。
富士通は自社の社員だけでなく、協力会社(外注先)の現場にまでAIの利用環境を提供しています。
末端の作業までAIを活用し、フォーマットを統一して開発を進めることで、コミュニケーションロスを減らし、圧倒的な生産性の向上を実現しているのです。
このAIによる生産性革命は、富士通の人材戦略にも大きな影響を与えています。富士通が新卒採用を停止し、通年採用に切り替えたというニュースが出ているのです。
これまでは、新卒を採用して現場で経験を積ませ、職人のように育てていくプロセスが必要でした。
しかし、AIがプログラミングの実作業を担えるようになった現在、求められるのは「AIに適切な指示(プロンプト)を出し、システム全体を設計できる人材」へと変化しています。
富士通の人材戦略の転換は、AI時代を見据えた合理的な判断だと言えます。
