4. 高額な医療費が戻る可能性「高額療養費」の還付制度

亡くなる直前に長期間の入院や手術があった場合、1カ月間の医療費が自己負担限度額を超えていることがあります。

  • 内容: 医療機関の窓口で支払った医療費のうち、自己負担の上限額を超えた分が払い戻される制度です。
  • 注意点: 故人が支払った医療費であっても、相続人の代表者が請求できます。
  • 期限: 診療を受けた月の翌月から2年以内です。

1カ月あたりの医療費の自己負担限度額は、70歳以上の方と70歳未満の方で基準が設けられています。

高額療養費の上限額(70歳以上)2/3

高額療養費の上限額(70歳以上)

出所:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

高額療養費の上限額(70歳未満)3/3

高額療養費の上限額(70歳未満)

出所:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

70歳以上の場合、所得区分に応じて1カ月あたりの医療費の自己負担上限額が設定されています。

一例として、所得区分が「一般」に該当する方の場合、外来と入院を合わせた自己負担の上限額は月額5万7600円です。

この金額を超えて医療費を支払っていた場合は、差額分の還付を受けられます。

5. 払い過ぎた税金を取り戻す「準確定申告」について

会社員や年金受給者であっても、医療費控除などを適用することによって、納めた税金の一部が戻ってくるケースがあります。

亡くなった方の所得税について行う確定申告は「準確定申告」と呼ばれています。

  • 期限: 死亡を知った日の翌日から4カ月以内
  • 対象: 年間の医療費が10万円を超えていた場合や、個人事業主だった場合など。

この手続きは、通常の確定申告期間(翌年2月〜3月)まで待つ必要はありません。

特に、相続税の申告が必要なケースでは、準確定申告で還付された金額(または納付した税額)も相続財産に含めて計算する必要があるため、早めに手続きを進めることが大切です。