1. 三菱重工業(7011)国策2大テーマ「防衛」「エネルギー」の有力株

まずは国策との関係を整理しましょう。三菱重工業は多くの国策に絡みますが、ここでは「防衛」と「エネルギー」に焦点を当てます。

1.1 防衛テーマの筆頭 契約額は他社を圧倒

政府は防衛力を強化する方針です。防衛力整備計画(2023年度~2027年度)では43兆円を投じる見通しで、従来の中期防衛力整備計画(2019年度~2023年度)の27兆4700億円から大幅に引き上げられています。

防衛費の積み増しは三菱重工業に追い風です。同社は防衛装備庁との契約額が大きく、2024年度は2位の川崎重工業の2.3倍の受注を獲得しました。政府の防衛強化の受け皿として恩恵が期待されます。

防衛装備庁の契約額 上位5社(2024年度)
・三菱重工業:1兆4567億円
・川崎重工業:6383億円
・三菱電機:4956億円
・日本電気(NEC):3117億円
・富士通:1736億円

出所:防衛装備庁「中央調達における令和6年度調達実績」

1.2 ガスタービン世界1位 AI普及による電力需要が商機に

政府が注力するエネルギー政策の1つがガスタービンです。火力発電のなかでも二酸化炭素などの排出が少なく、現実的な低炭素政策として拡大を図っています。

三菱重工業は防衛向けが強いイメージですが、実はガスタービン事業を含むエナジー事業が主力です。2026年3月期は連結事業利益(非継続事業を除く)の58.5%をエナジー事業が占める想定となっています。

セグメント事業利益(2026年3月期予想)
・エナジー:2400億円
・プラント・インフラ:800億円
・物流・冷熱・ドライブシステム:200億円
・航空・防衛・宇宙:1400億円
・(参考)連結事業利益:4100億円

出所:三菱重工業株式会社「2025年度第3四半期決算説明資料」

国内だけでなく、世界でもガスタービンの増設が予想されています。電力需要はAIの普及に伴い高まっており、環境負荷が比較的小さい天然ガス発電が選好されやすい状況です。

ガスタービンにおける三菱重工業のシェアはトップクラスであり、出力ベースで2022年に世界1位となりました。業界首位の三菱重工業は、世界の発電ニーズを受け止める立場にあります。