2. ひとり親世帯向けの支援制度
経済的に困難な状況に置かれやすいひとり親家庭に対し、生活の安定と自立を支援するため、手当の支給や医療費の助成、職業訓練支援など多岐にわたる制度が整備されています。
2.1 児童扶養手当
児童扶養手当とは、父母の離婚などで、父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭(ひとり親等)の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉の増進を図ることを目的として支給される手当です。
支給月は1月・3月・5月・7月・9月・11月の年6回で、それぞれの支払月の前月までの2カ月分が支払われます。2026年度の支給額は、子ども1人目で全部支給の場合は月額4万8050円で、2人目以降は加算があります。
2.2 ひとり親家庭等医療費助成制度
ひとり親家庭等に対し医療費の一部を助成することにより、ひとり親家庭等の保健の向上に寄与し、福祉の増進を図ることを目的とした制度です。国全体の統一制度ではなく、各都道府県・市区町村が条例等に基づいて実施しているため、助成内容や自己負担額は自治体によって異なります。
対象者は以下のとおりです。
- 児童を監護しているひとり親家庭等の母または父
- 両親がいない児童などを養育している養育者
- ひとり親家庭等の児童で18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)までの方
認定を受けるには申請が必要で、「ひとり親家庭等医療証」の交付を受けた後、医療機関の窓口でマイナ保険証等と医療証を提示することで、保険診療の自己負担が軽減されます。助成の対象は保険診療が適用された医療費・薬剤費等であり、差額ベッド代や予防接種など保険適用外の費用は対象外です。
2.3 高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金は、ひとり親の方が就職の際に有利となる資格の取得を目指して養成機関で修業する期間の生活費を支援する制度です。看護師・介護福祉士・保育士をはじめ、理学療法士、歯科衛生士、社会福祉士など幅広い国家資格が対象となっており、資格取得に専念できる環境づくりを目的としています。
受給要件は、児童扶養手当の支給を受けているか同等の所得水準にある方で「養成機関において6カ月以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得等が見込まれ、仕事または育児と修業の両立が困難であると認められる方」です。
支給額は訓練期間中に月額10万円(住民税課税世帯は月額7万500円)で、訓練を受けている期間の最後の1年間は支給額を4万円増額します。また、訓練修了後に5万円(住民税課税世帯は2万5000円)が支給されます。
支給期間は最長4年間で、修業開始前に都道府県または市区町村での事前相談と申請が必要です。また、資格を活かして5年間就労を継続することで、入学準備金・就職準備金の貸付の償還が免除される制度も利用できます。