年金は原則として65歳から支給開始となりますが、65歳間近となった方の中には「いよいよ年金がもらえる」と考えている方もいるでしょう。

しかし年金は、ただ待っていても振り込まれるわけではなく、年金請求書を提出する必要があります。

本記事では、年金受給資格について確認するとともに、年金請求書が届いた際に行うべき手続きを詳しく解説していきます。

1. 年金受給資格について確認

年金を受け取るには、保険料納付期間や加入者期間などの合計が一定年数以上必要とされる「受給資格期間」を満たしている必要があります。

すべての人に支給される老齢基礎年金(国民年金)の受給資格期間は10年間が基本で、国民年金だけでなく厚生年金や共済組合の加入期間も含まれます。

また、年金額には反映されませんが「合算対象期間」や「保険料免除期間」も受給資格期間としてカウント可能です。

受給資格期間を満たしている場合に、年金請求書が送付されます。

2026年に送付対象となるのは、今年65歳になる昭和36年4月2日から昭和37年4月1日生まれの方です。

また、63歳になる女性(昭和38年4月2日から昭和39年4月1日生まれ)も含まれます。

令和8年に送付対象となる方は次のとおりです。

63歳になる女性の方(昭和38年4月2日から昭和39年4月1日生まれ)
年金の加入期間が10年以上あり、厚生年金と共済組合の加入期間があわせて1年以上ある方。

65歳になる方(昭和36年4月2日から昭和37年4月1日生まれ)
男性:年金の加入期間が10年以上ある方。
女性:年金の加入期間が10年以上あり、厚生年金と共済組合の加入期間が1年未満の方。

対象の方には、年金請求書が原則として日本年金機構から送付されますが、共済組合での記録が混在している方(最終記録が共済組合期間)や共済組合期間のみの方は、共済組合から送付されます。

年金請求書が届いたら行うべき手続き内容を、次章で確認していきましょう。

2. 65歳で年金請求書が届いたらすること

年金を受け取るための手続きの流れ1/2

年金を受け取るための手続きの流れ

出所:日本年金機構「年金の請求手続きのご案内」

年金請求書が送付された際は、以下のような流れで手続きを進めます。

  1. 年金請求書を受け取る
  2. 年金請求書を提出する
  3. 年金を受給する

流れに沿って手続き内容を解説していきます。

2.1 年金請求書を受け取る

受給開始年齢になる3ヵ月前になると、年金請求書と年金の請求手続きの案内が送付されます。

年金請求書には、基礎年金番号・氏名・生年月日・性別・住所、そして年金加入記録が記載されています。

記録内容にもれや誤りがないか確認し、万が一あった場合は最寄りの年金事務所に問い合わせましょう。

2.2 年金請求書を提出する

年金請求書を提出する際には、紙の請求書を使用する方法と電子申請により提出する方法の2つがあります。

【紙の請求書を使用する場合】

紙の請求書を提出する場合は、年金請求書に必要事項を記入のうえ、添付書類とともに年金事務所に提出します。

なお、年金の請求をせずに5年過ぎてしまうと、その期間の年金は時効により受け取れなくなる可能性があることに注意が必要です。

【電子申請をする場合】

一定の条件を満たしていることにより電子申請での手続きが可能な方には、年金請求書に電子申請を案内するリーフレットが同封されています。

電子申請は24時間いつでも手続きができるうえに、切手代の負担や手間がかからないというメリットがあります。

2.3 年金を受給する

提出した年金請求書が確認され、問題がなければ1〜2ヵ月後に「年金証書」と「年金決定通知書」が送付されます。

さらに、年金証書・年金決定通知書が送付されてから1〜2ヵ月後に、「年金のお支払いのご案内(年金振込通知書・年金支払通知書または年金送金通知書)」が送付され、いよいよ年金受給開始となります。

年金は年6回、偶数月の原則として15日※に支給月の前月・前々月分がまとめて支給されます。

※振込日が土日祝日に該当する場合は、金融機関の前営業日

3. 年金請求に必要な書類

年金請求書を提出する際には、一般的に以下の書類を添付します。

3.1 老齢年金の受取方法確認書(老齢年金の繰下げ意思についての確認)

年金の受取開始時期は、65歳から75歳までの間で自由に選択することが可能です。

65歳から受給開始するか、繰下げ受給を選択するかを決めて、希望する受取方法にチェックマークを入れます。

3.2 振込先口座が確認できるもの

年金を振り込む口座の通帳またはキャッシュカードのコピーが必要です。

金融機関名や支店名、口座名義人氏名(フリガナ)、預金種別、口座番号が確認できるものを用意します。

なお、公金受取口座として登録済の口座の場合は不要です。

3.3 生年月日が確認できるもの

生年月日を確認するために、次のいずれかの書類が必要です。

  • 戸籍抄本または戸籍謄本
  • 住民票
    ※いずれも、年金請求書の提出日の「6ヵ月以内に交付されたもの」であることに加え、「65歳の誕生日の前日以降」に交付されたものである必要があります。

なお、マイナンバーが登録済の場合や、請求書にマイナンバーを記入した場合は必要ありません。

3.4 配偶者や子どもがいる場合

以下に該当する方は、加給年金額や振替加算を加算するために、戸籍や住民票、所得証明書を添付する必要があります。

  • 生計を維持している配偶者や子どもがいる方
  • 配偶者に生計を維持されている方

ただし、年金請求書に配偶者および子のマイナンバーを記入した場合は、添付は不要です。

4. まとめ

年金は65歳から自動的に振り込まれるものではなく、年金請求書を提出する必要があります。

手続きを行わなければ受給できないため、年金受給開始時期の3ヵ月前に送付される年金請求書を忘れずに提出しましょう。

手続きを進めるにあたって不明な点がある場合は、年金ダイヤルや最寄りの年金事務所に問い合わせましょう。

参考資料

木内 菜穂子