2. スバルの主戦場、実は「アメリカ」だった

スバルには熱狂的なファンがいる一方で、「市場規模が小さくニッチなメーカーなのではないか」という疑問を持つ人も多いかもしれません。泉田氏は意外な事実を突きつけました。

「日本人も好きな人いるけど、スバルの車に乗ってる人は海外の人です。むしろ海外の方がファンがいる」

実際にスバルの決算資料(2026年3月期 第3四半期累計)を見てみると、その言葉の意味がはっきりと分かります。

同期間の販売台数67.6万台のうち、日本国内での販売はわずか7.8万台に過ぎません。残りの59.8万台、実に全体の約88.5%が海外で販売されているのです。そして、その海外販売の大部分を占めているのが「アメリカ」です。

スバルの販売台数における国内外比率(第3四半期累計)1/3

スバルの販売台数における国内外比率(第3四半期累計)

出所:イズミダイズム

 

なぜ、スバルはアメリカでこれほどまでに売れているのでしょうか。

泉田氏の分析によれば、アメリカ市場には巨大なピックアップトラックやSUVを好む層がいる一方で、「燃費効率が良くてスペックが高い車」を好む層も確実に存在しており、スバルの車がその層に深く刺さっているのだと言います。

この「アメリカ偏重」のビジネスモデルは、スバルの車種戦略にも大きな影響を与えています。

アメリカで売れ筋の「アウトバック」や「レガシィ」は、現地のニーズに合わせてボディサイズが年々大型化していきました。

しかし、アメリカ市場に合わせて車を大きくすると、今度は日本の狭い道路事情に合わなくなってしまいます。そこでスバルは、日本人向けにサイズを抑えた「レヴォーグ」を新たに開発しました。

また、かつてはラリーカーとしてゴリゴリのスポーツ走行をイメージさせた「インプレッサ」も、現代の消費者の環境意識に合わせてハイブリッドモデル(HEV)を投入するなど、市場の変化に合わせた柔軟な戦略をとっています。

このように、スバルは日本のメーカーでありながら、実質的には「アメリカ市場を主戦場とするグローバル企業」として成長してきたのです。

【動画で解説】【図で解説】スバルの主戦場、実は「アメリカ」だった