3. 「NISAは片道切符?」知っておくべき「損益通算」の落とし穴。

通常の特定口座などでは、投資で損失が出ても「損益通算」や「3年間の繰越控除」によって、他の利益と相殺し税負担を軽減できます。

しかし、NISA口座で生じた損失は、税制上「ないもの」として扱われるため、これらの救済措置が一切受けられません。つまり、NISAで100万円の損失が出ても、他の口座で出た利益からその分を差し引いて、税負担を減らすことはできません。

「非課税」というメリットは利益が出たときにしか恩恵がなく、損失時は特定口座よりも実質的なダメージが大きくなる可能性があります。

「NISAなら安心」と過度なリスクを取る前に、この「片道切符」の性質を正しく理解しておくことが重要です。無理のない投資額を守り、税制上の制約に振り回されない家計管理を心がけましょう。

4. まとめにかえて

今回は、最新の調査結果をもとに「NISA貧乏」の実態と税制上の制約について解説しました。運用成績が好調な時こそ、つい無理をして入金額を増やしたくなるものです。

しかし、20代・30代という二度と戻らない時期の「自己投資」や「思い出」を削りすぎるのは、人生のトータルリターンを下げることになりかねません。また、NISAは損失が出た際に他の利益と相殺できないという、投資家にとって厳しい側面も持っています。

「周りがやっているから」という焦りを捨て、まずはご自身の家計の「今」を守ることを優先してください。資産運用は、人生を豊かにするための「手段」であって「目的」ではないのです。物価高が続く春だからこそ、一度立ち止まって積立額が適切か見直してみてはいかがでしょうか。

参考資料

村岸 理美