今月は年金支給がありましたはが「実際いくらか」を気にする方が増える時期です。中でも、「標準的な夫婦で約47万5000円振り込まれる」という数字を見て、「自分もそのくらいもらえるのか」と感じた方もいるかもしれません。

ただし、この金額はあくまで一定の前提条件を満たしたモデルケースであり、すべての世帯に当てはまるわけではありません。

実際には、2026年度の標準的な夫婦世帯の年金額は月額23万7279円(夫婦合計)とされており、支給額は個々の加入履歴や収入によって大きく異なります。

こうした違いを理解せずに「平均的にはこれくらい」と捉えてしまうと、将来の家計設計にズレが生じる可能性もあります。また、2025年の制度改正ではiDeCoの加入年齢上限引き上げなど、自助努力を後押しする動きも進んでいます。

本記事では、「約47万5000円」の内訳と前提条件を整理しつつ、平均年金額や個人差の実態、さらにiDeCo改正のポイントまでわかりやすく解説します。自分の受給額を見直す参考としてご活用ください。

1. 【基本を確認】公的年金のしくみと2階建て構造

公的年金は、基礎部分となる「国民年金」と、上乗せ部分にあたる「厚生年金」から成り立つ2階建て構造です。

厚生年金と国民年金の仕組み1/5

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

国民年金は原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入対象で、年金のベースとなります。国民年金保険料(※1)は全員一律です。

厚生年金は企業や官公庁などで働く人たちが、国民年金に上乗せして加入する年金です。毎月の給与や賞与に応じた年金保険料(※2)を納めます。

国民年金保険料を全期間(480月)納めると、65歳以降で満額(※3)の老齢基礎年金を受け取ることができます。未納期間があった場合は、その月数に応じて満額から差し引かれるしくみです。

厚生年金は、「年金加入月数」と「納めた保険料」により、老後の年金額が決まります。

上記の年金額の決まり方からは、実際に受け取る年金額は一人ひとり異なります。ただし厚生労働省が毎年度の年金改定内容とともに公表する「年金額例」が、一つの目安となることもあるでしょう。

具体的には、最新となる2026年度の年金額例によると「標準的な夫婦世帯」は年金支給日に「約47万5000円」支給されます。

※1 国民年金保険料:2026年度は月額1万7920円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2026年度は月額7万608円