株式市場の振り返り―日欧の追加金融緩和期待から大幅反騰に
2016年1月22日(金)の東京株式市場は、日経平均株価が前日比+5.9%上昇、TOPIXが+5.6%上昇しました。前日の欧米市場がECB(欧州中央銀行)の追加緩和示唆により上昇したことや、原油先物市場の上昇、為替が円安方向に推移した流れを受け、日経平均は高く始まりました。
その後、幅広い銘柄が買われ、前場はプラスで引けました。後場も自律反発の流れは続き、戻り売りをこなし、ほぼ一貫して上昇が続き大幅高で引けました。東証1部売買代金は2.82兆円となり前日比▲8%減でした。
セクター動向と主要銘柄の動き―その他金融業が大きく下落
東証33業種別では、33業種全てが上昇しました。上昇率が大きかったのは、鉱業+7.0%上昇、倉庫・運輸関連+6.9%上昇、不動産業+6.9%上昇でした。一方、上昇率下位3業種は、空運業+3.6%上昇、精密機器+4.0%上昇、情報・通信業+4.6%上昇でした。
日経300での値上り上位は、住友不動産(8830、不動産業)、日揮(1963、建設業)、SUMCO(3436、金属製品)、サカタのタネ(1377、水産・農林業)、住友重機械工業(6302、機械)です。一方、値下がりした銘柄はありませんでした。21日に昨年来安値を更新したソフトバンクグループ(9984)も大幅上昇となりました。
住友不動産については、日銀による金融緩和の思惑が大幅な上昇要因となったと見られます。また、海外の資源関連のプラント事業のウエイトが高い日揮は原油安の一服が好感されたようです。
本日のポイントと注目テーマ・関連銘柄
先週、海外の英語版金融関連ニュースでは「capitulation」という単語をしばしば見かけるようになりました。「降伏」という意味ですが、いつかは下げ止まるだろうと見ていた向きが、下げ止まらないマーケットに業を煮やし投げ売り状態になる時によく使われます。
1月21日の日本の株式市場はまさにそういった状態で、投げ売りの一巡で22日は大幅高になったと見ることができます。
今週は21日がセリングクライマックスであったかを確認する1週間となりそうです。決算、各国政府の金融政策の変化に注目していきたいと思います。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
【2016年1月25日 投信1編集部】
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LIMO編集部