2026年3月も下旬を迎え、春の訪れとともに卒業や新年度への期待が膨らむ季節となりました。

多くの学生にとって、自身のキャリアを左右する就職活動が佳境に入る時期でもあります。

そんな中、2026年3月24日に厚生労働省から最新の賃金データが、また、就活生の企業選びに関する意識調査の結果が相次いで公表されました。

近年の就職市場は「売り手市場」といわれていますが、物価高などの社会情勢を背景に、学生の企業選びの視点にも変化が見られます。

特に「給料」や「安定性」といった条件面を重視する傾向が顕著になっているようです。

この記事では最新データをもとに、日本の平均賃金や初任給の実態、そして就活生が本当に求めているものを詳しく解説していきます。

1. 最新統計から見る日本の賃金事情:平均賃金は月額34万600円《大卒初任給》はいくら?

厚生労働省が公表した「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、一般労働者の平均賃金は全体で月額34万600円となっています。

男女別に見ると、男性が37万3400円、女性が28万5900円でした。

なかでも、新規学卒者の初任給に注目すると、学歴による違いが明確になっています。

  • 高校卒:20万7300円
  • 専門学校卒:23万700円
  • 大学卒:26万2300円
  • 大学院卒:29万9000円

このように、学歴が高くなるほど初任給も上がる傾向にあり、社会人としてのスタートラインで収入に差がついていることがわかります。

1.1 給与水準が最も高い業界はどこか?年収で就職先を選ぶ時代へ

賃金の差は、産業別に比較するとさらに大きくなっているのが現状です。

産業、年齢階級別賃金及び対前年増減率2/4

産業、年齢階級別賃金及び対前年増減率

出所:厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」

厚生労働省の「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」によると、最も賃金が高かったのは「電気・ガス・熱供給・水道業」で月額44万4000円でした。

次いで「学術研究・専門・技術サービス業」が44万300円で続いています。

その一方で、最も低かったのは「宿泊業・飲食サービス業」の27万7200円で、どの業界を選ぶかによって収入に大きな違いが生まれることが示されています。

2. 就活生が求めるのは「安定と高収入」最新調査で公務員人気が突出

このような賃金の実態を踏まえ、就活生はどのような観点から企業を選んでいるのでしょうか。

与信管理サービスを手がけるリスクモンスター株式会社が実施した調査「第12回「就職したい企業・業種ランキング」発表」によると、2027年卒業予定の学生を対象とした就職人気ランキングでは、「地方公務員」が1位、「国家公務員」が2位となり、公務員がトップを占める結果となりました。

第12回「就職したい企業・業種ランキング」ランキングトップ203/4

第12回「就職したい企業・業種ランキング」ランキングトップ20

出所:PR TIMES リスクモンスター株式会社「第12回「就職したい企業・業種ランキング」発表」

2027年卒学生が選ぶ「就職したい企業」ランキング

ランキングの詳細は以下の通りです。()内は回答率を示します。

  • 1位:地方公務員(11.9%)
  • 2位:国家公務員(7.1%)
  • 3位:NTTデータ(3.7%)
  • 4位:明治、任天堂(同率3.0%)

特筆すべき点として、前回調査まで上位20社に入っていた「Google」がランク外となり、トップ20はすべて日本の企業で占められました。

学生から人気を集める「就職したい業種」ランキング

業種別のランキングでは、以下のようになっています。()内は回答率です。

  • 1位:公的機関・その他(24.3%)
  • 2位:IT・情報通信(9.7%)
  • 3位:金融・法人向けサービス(7.2%)

2.1 物価高が就活生の意識を変化させた?最重要視する項目は「給料額」へ

リスクモンスター株式会社の「第12回「就職したい企業・業種ランキング」発表」によると、就職先を選ぶ際に最も重視する点として、「給料額」が39.0%でトップに躍り出ました。

この背景には、物価高騰が学生の意識に影響を与え、収入に対する関心を高めていることがあると考えられます。

また、企業を志望する理由としては、次のような点が挙げられています。

  • 企業の安定性
  • 働きやすい環境(ホワイト企業)
  • 充実した福利厚生

これらの結果から、学生は給与などの待遇面と働きやすさの両方を重視する傾向が強まっていることがうかがえます。

調査概要

・調査名称:第12回「就職したい企業・業種ランキング」調査

・調査方法:インターネット調査

・調査エリア:全国

・期間:2025年11月28日(金)~2026年1月5日(月)

・調査対象者:2027年3月卒業予定の大学3年生男女個人

・調査対象企業と選定方法:各業界の大手企業・組織200社を抽出

・有効回答数:432サンプル

3. 最新データが示す就活の新潮流:「条件重視」で企業を選ぶ時代に

今回公表された最新のデータは、学歴や産業によって賃金に大きな格差が存在する実態を改めて明らかにしました。

このような状況を背景に、就職活動を行う学生の間では「給料」や「安定性」といった条件を重視する姿勢がより一層鮮明になっています。

公務員が就職先として高い人気を集め、「給料額」を最重視する学生が最多となったことからも、堅実な選択をしようとする意識の広がりが読み取れます。

売り手市場といわれる環境は続いていますが、学生の企業選びはより現実的かつ厳しい視点で行われており、「条件で選ぶ」という傾向は今後ますます強まっていくと予想されます。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

マネー編集部年収班