4. 【社労士が労災解説】休業補償給付の計算例
休業補償給付の給付金額を、以下のケースで具体的に計算してみましょう。
- 3月1日に労災事故が発生し、同日から月末まで休業
- 12月から2月までの賃金総額が90万円
- 直近3ヶ月間の暦日数90日(12月31日、1月31日、2月28日)
前述の計算式に当てはめると、給付基礎日額は1万円です。
- 給付基礎日額=90万円÷90日=1万円
1日当たりの給付額は次の通り8000円となります。
- 休業補償給付の日額=1万円×60%=6000円
- 休業特別支給金の日額=1万円×20%=2000円
- 1日当たりの給付額=6000円+2000円=8000円
支給日数は休業日数31日から待期期間3日を差し引いて28日となるため、給付金の総額は次の通り計算できます。
- 給付金の総額=8000円×28日=22万4000円
5. 【社労士が労災解説】手取り額の違い
休業補償給付の支給額は、給付基礎日額の80%(3日間の待期期間あり)であるため支給額は給与と比較して減額となります。しかし、手取り額を考えるとその差は縮まります。理由は、休業補償給付は非課税であるため、所得税や住民税がかからないからです。
所得税率と住民税率がともに10%の場合、休業補償給付と給与の実質的な手取り額は、待期期間を除くとほぼ同額となります。
ただし、健康保険料や厚生年金保険料などは休業中でも支払いが必要です。給与がないため給与天引きはありませんが、後日勤務先に振り込むなどして支払います。社会保険料の支払いを考慮して、振り込まれた給付金を適切に管理しましょう。
5.1 休業補償給付の請求方法
休業補償給付は、労働基準監督署に対して請求します。請求書は労災の種類に応じて次の通りです。厚生労働省のホームページなどからダウンロードできます。
- 業務災害:休業補償給付支給請求書(様式第8号)
- 通勤災害:休業給付支給請求書(様式第16号の6)
請求書の記入方法などは、厚生労働省のパンフレット「「休業(補償)等給付・傷病(補償)等年金の請求手続」」を参考にするといいでしょう。
ただし、請求書の準備や労働基準監督署への提出などは勤務先が代行してくれることが多いため、勤務先担当者に相談しながら請求手続きを進めましょう。