年金の支給日になると、「自分の受給額は平均と比べてどうなのだろう」「他の人はどのくらいもらっているのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て構造で成り立っています。加入状況や現役時代の働き方によって、将来受け取る年金額は一人ひとり異なります。
厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2026年度の年金額は物価や賃金の変動を反映し、国民年金が前年度比プラス1.9パーセント、厚生年金がプラス2.0パーセントの増額改定となりました。
国民年金の満額は月額7万608円、厚生年金のモデル世帯では月額23万7279円となっていますが、これらは加入期間や現役時代の収入によって一人ひとり異なります。
この記事では、最新の公的データをもとに、現在のシニア世代が受け取っている国民年金・厚生年金の平均月額を年齢別に詳しく見ていきます。
1. 【厚生年金】60歳~89歳の平均受給月額はいくら?年齢別に一覧で確認
終活がなかなか進まない状況であっても、まずは現在の家計の基盤である「年金」の状況を把握し、自身の資産を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。ここでは、現在のシニア層が実際に受け取っている年金額の平均を見ていきます。
厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、年齢別の平均年金月額を一覧で見ていきましょう。
まずは、厚生年金(国民年金部分を含む)の平均受給月額から確認します。
1.1 60歳代(60〜69歳)の厚生年金・平均年金月額
- 60歳:9万9664円
- 61歳:10万4455円
- 62歳:10万9323円
- 63歳:6万8758円
- 64歳:8万3901円
- 65歳:14万9862円
- 66歳:15万2378円
- 67歳:15万2356円
- 68歳:15万2709円
- 69歳:15万1284円
※65歳未満で厚生年金を受給している方には、特別支給の老齢厚生年金のうち、報酬比例部分のみを受け取っている方も含まれています。これは定額部分の支給開始年齢が引き上げられたことによるものです。
1.2 70歳代(70〜79歳)の厚生年金・平均年金月額
- 70歳:15万455円
- 71歳:14万8371円
- 72歳:14万6858円
- 73歳:14万5583円
- 74歳:14万7774円
- 75歳:15万1410円
- 76歳:15万1241円
- 77歳:15万962円
- 78歳:15万862円
- 79歳:15万3115円
1.3 80歳代(80〜89歳)の厚生年金・平均年金月額
- 80歳:15万3729円
- 81歳:15万5460円
- 82歳:15万7744円
- 83歳:15万9994円
- 84歳:16万2555円
- 85歳:16万3947円
- 86歳:16万5577円
- 87歳:16万5557円
- 88歳:16万6200円
- 89歳:16万6767円
年金の受給開始は原則65歳です。65歳以降のデータを見ると、厚生年金の平均受給月額は14万円台から16万円台で推移していることがわかります。
2. 【国民年金】60歳~89歳の平均受給月額はいくら?年齢別に一覧で確認
次に、国民年金(老齢基礎年金)について、年齢ごとの平均受給月額を見ていきましょう。
2.1 60歳代(60〜69歳)の国民年金・平均年金月額
- 60歳:4万5186円
- 61歳:4万6371円
- 62歳:4万7784円
- 63歳:4万7258円
- 64歳:4万7896円
- 65歳:6万1240円
- 66歳:6万1369円
- 67歳:6万1345円
- 68歳:6万1293円
- 69歳:6万978円
※65歳未満で国民年金(老齢基礎年金)を受給している方は、繰上げ受給を選択した方です。
2.2 70歳代(70〜79歳)の国民年金・平均年金月額
- 70歳:6万1011円
- 71歳:6万770円
- 72歳:6万234円
- 73歳:6万32円
- 74歳:5万9813円
- 75歳:5万9659円
- 76歳:5万9555円
- 77歳:5万9349円
- 78歳:5万9124円
- 79歳:5万8676円
2.3 80歳代(80〜89歳)の国民年金・平均年金月額
- 80歳:5万8623円
- 81歳:5万8269円
- 82歳:5万8003円
- 83歳:5万7857円
- 84歳:5万9675円
- 85歳:5万9425円
- 86歳:5万9228円
- 87歳:5万9204円
- 88歳:5万8756円
- 89歳:5万8572円
65歳以降の方が受け取る国民年金(老齢基礎年金)の平均月額は、おおむね5万円台から6万円台となっています。
3. 「年金にゆとりがない」と感じる理由とは?
老後は年金だけで暮らせるのか。いまの60歳代・70歳代の実情を調査結果で見ていきます。
3.1 60歳代・70歳代の約3割が「年金だけでは日常生活費もカバーできない」というリアル
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025」では、二人以上世帯のうち60歳代の33.6%、70歳代の26.5%が、「年金だけでは日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。
止まらぬ物価上昇に家計が圧迫される中、健康や介護面での不安を抱えながら、切実な思いで過ごすシニア世帯の存在があります。
4. 年金の平均額から考える、これからの暮らし
年齢別の平均受給額を見ると、65歳以降の厚生年金はおおむね月14万円~16万円台、国民年金は5万円~6万円台で推移しています。
一方、「家計の金融行動に関する世論調査」では、二人以上世帯の60歳代・70歳代のうち約3割が「年金だけでは日常生活費をまかなえない」と回答しており、年金収入だけに頼る生活の厳しさもうかがえます。
こうしたデータからも、平均額はあくまで目安のひとつであることが分かります。実際の受給額や必要な生活費は人それぞれ異なるため、自身の状況と照らし合わせながら確認していくことが重要です。
まずは家計の土台となる年金の見込み額を把握し、今後の生活設計を考える際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
中本 智恵