保育園時代は午後7時を過ぎても預かってもらえ、思う存分とは言えないまでもフルタイムで働いていたパパ・ママたち。

ところが、子どもが成長して小学校に入学するとその環境は大きく変化します。

「小学校は短い!」

小学1年生は遅くても午後3時、早ければ午後2時には授業が終了してしまうため、仕事を終えて帰宅するまでの空白時間が生じてしまいます。そこで登場するのが「学童保育」です。

学童保育とは、両親が働いている家庭の子どもを、放課後や長期休暇中に預かってくれるとってもありがたい制度です。筆者も小学1年生の娘がおりますので、学童保育にお世話になっています。

そこで、今回は公立学童保育と民間学童保育の違い、そして実際に民間学童保育にお願いして感じたことをお届けします。公立学童保育から民間学童保育への移行を考えている方、来年お子さんが小学校に入学する方の学童保育選びの参考にしていただけると幸いです。

学童保育は「放課後児童クラブ」と「放課後子供教室」、「民間学童保育」の3種類

学童には、大きく分けて「公立学童保育」と「民間学童保育」の2種類があります。そして「公立学童保育」の中には、厚生労働省管轄の「放課後児童クラブ」と文部科学省管轄の「放課後子供教室」があります。

まずは、それぞれの特徴をピックアップしてみましょう。

放課後児童クラブの特徴

・保護者が就業しているなど共働き世帯の子どもが対象

・クラブ数は2万5328カ所(2018年)

・費用:月額料金とおやつ代で月約5000~1万円(自治体により異なる)

・預かり時間:施設により異なるが、平日の開所時刻は13時1分~14時が最も多く34.2%、閉所時刻は18時31分~19時が最も多い47.8%となっている。長期休暇等の開所時刻は8時~8時59分が68.2%、閉所時刻は18時31分~19時が47.3%と最も多くなっている(18年)

・開所日数:原則1年につき250日以上、厚生労働省の調査では280~299日が最も多く69.8%となっている(18年)

・送迎:施設により異なる(別料金が発生する場合あり)

・利用希望者が多い場合は、選抜されるため入れない可能性がある

(厚生労働省の調査によると、待機児童数は18年12月時点で1万7279人)

・利用人数が多くお友だちができやすい

・宿題が完了するまで監視するサービスはない場合がある

・長期休暇中も基本的に追加料金なしで利用可能

放課後子供教室の特徴

・全ての子どもが対象

・実施数:1万7615教室(17年)

・費用:原則無料

・預かり時間:午後5時までの施設が多い

・開設日数:全国平均84日(13年)

・様々な学習プログラムの提供

・開設時間が短く、常時開設されていない施設が多い

民間学童保育の特徴

・利用希望者が多ければ抽選などになるが、両親の就業状況は問われない

・費用:月額約5万~10万円

・送迎:あり(別料金が発生する場合あり)

・異なる学校の子どもが集まる。同じ学校の友だちは少ない場合もある

・宿題サポート制度付きが多い。宿題が完遂するまで見守ってくれる

・習い事による中抜けが可能。習い事が併設されている施設もある

・長期休暇中は追加料金が必要。施設によって5万~10万円ほど

・オールイングリッシュ、外遊び重視、プログラミング教育など独自の教育方針によって運営されている施設が多い

放課後児童クラブは、平日はほぼ開所されており、共働き世帯の子どもたちのサポートを目的としています。

それに対して放課後子ども教室は文部科学省が管轄で、子どもの預かりではなく、学習やスポーツ文化活動などを目的としています。放課後子ども教室は自治体により運用が異なり、常時開設されていないケースが少なくありません。現状はごく一部の自治体を除き、放課後児童クラブが共働き世帯の子どもたちの受け皿になっているようです。

従来はそれぞれが独立して運営されており、運営方針などが大きく異なっていました。しかし18年、厚生労働省と文部科学省は「新・放課後総合プラン」として、すべての小学校校区で両事業を一体化して進めることを目指すことを発表しました。そのうち1万カ所は、小学校内での設置を目指しているとのこと。これが実現すれば利便性が高まり、子どもにとってもより良い環境になると考えらえます。

一方、民間学童保育は料金が高額です。その分各種サービスは充実しています。とくに宿題サポート制度は、共働き世帯にとってはありがたいサービスです。教育プログラムが充実しているため、塾がわりに利用する世帯も少なくありません。

私たちが民間学童保育を選んだ理由