先生の人柄が分かりにくい
まず最初に感じたのは、先生の人柄が分かりにくいという点です。子どもの話す先生と親が感じる先生とではギャップがある時もあります。その点、家庭訪問は1対1で先生と話をして人柄や雰囲気を把握する機会になります。
特に担任の先生が他校から着任してたばかりだと、周囲のママさんからの情報もないので手探り状態です。そういうことも考えると、家庭訪問で直接話をできた方が良かったのではないかと思います。
クラス替え後の子どもの様子が分からない
クラス替え直後は、保護者にとっては子どもの様子が気になるものです。家庭訪問は新年度がスタートした1カ月後に行われることが多いので、先生に子どもの様子やクラスの雰囲気を直接聞ける貴重な機会でもあります。
今は何かトラブルが起きない限り、連絡帳や電話で先生に質問をすることもありません。先生の目から見る、子どもの学校での様子を何気なく聞けなくなったと感じます。
子どものことで知ってほしいことを伝えられない
家庭訪問がないと、子どものアレルギーや精神面などの問題を伝えにくくなります。筆者の子どもはアレルギーではないのですが、ナッツ類を食べると気分を悪くする傾向があります。そのため、給食でナッツ類が提供される日は、毎回連絡帳に理由を長々と記しています。直接伝えておけば、「先生も知っている」という前提で連絡帳も短文で済ませることができます。
電話連絡だと表情が見えにくいので本当に伝わったのか不安になりますし、先生の仕事時間を奪っているのではないかと気になってしまいます。家庭訪問という時間が設定されていれば、その時間内で伝えたいことを言えるという安心感が得られます。
まとめ:家庭訪問が懐かしい思い出になる日
家庭訪問の代わりに、夏休みを利用した個人面談が行われる学校もあります。その方が双方の負担が少なくなります。その一方で、廊下に他の保護者が待機していることを考えるとなかなか突っ込んだ話はしにくいもの。中止になってから分かるありがたみを感じています。
家庭訪問は昭和的な学校行事、になりつつあります。確かに、今でも普通に行われていたら筆者もきっと面倒だと思っていたことでしょう。遥か彼方の思い出は、美しい記憶に脳内で変換されているのかもしれません。
中山 まち子